学生の居場所

個人的な印象だが、鳥取大学の学生はあまり大学にいつかない気がする。大学と自宅が近い学生が多いので、ちょっとした空き時間でも「大学にいるよりは…」と自宅に帰ってしまうのだ。

あるとき、2限目に出会った学生が、4限目に遅刻してやってきた。「2限目にちゃんといたのにどうして?」と聞くと、お昼を食べに帰ったてそのま寝てしまったとのこと。ヤレヤレ、何と言うか…

私の学生時代は、大学が山の上にあったこともあって、一度大学に行くとなかなか帰ることはできなかった。だから、図書館に行ってよく分からない本に手を出したり、無理やり話し相手を見つけて長々と話をしたりして過ごすしかなかった。そうやって大学にいることに慣れ、結局、10年近くいることになってしまった。

しかし最近は、大学当局もセキュリティの問題や光熱費の問題もあって、授業外の時間に学生が大学で過ごすことに対してあまりいい顔をしなくなっている。講義室などはほとんどが授業時間を過ぎると施錠されてしまうそうだ。

「若者の居場所をどう確保するか」といった議論をしながら、学生を大学から締め出すのは、個人的には本末転倒の気がするのだが…

 © 小笠原 拓 2015