観光地で観光をしない休日(アシスタントX)
公開日:2016年4月14日


ザ・観光地!

鳥取県内の主要な観光地の一つに、鳥取砂丘が挙げられる。日本最大規模の起伏をもつ砂丘として、全国的にもかなりの知名度を誇る。鳥取市福部町に位置し、東西16キロ、南北2キロ、最高起伏は47メートルにも及ぶという。

そんな鳥取砂丘が美しい景観を保っているのは専門家による保全活動の賜物であることは間違いない。しかし忘れてはいけないのが、住民の「鳥取愛」もまた、景観保持の一端を担っているということである。

先日の記事で中嶋さんがカレー愛を体現したところなので、今回は私が砂丘を清掃することで「鳥取愛」を見せつけたいと思う。


清掃ボランティア参加で「鳥取愛」を体現!

鳥取砂丘については、記事を通してこのサイトにも何度も登場しているので、皆さんにもその魅力をお伝えできているはず。鳥取に住んで12年が経とうとしている私自身、既に何度も訪れており、その圧巻の景色はこれまでに余すところなく堪能してきた。

県外の友人から住所を問われ「鳥取・島根どっちだっけ?」と山陰あるあるの質問を受けた際にも、「砂丘がある方だよ」と胸を張って答えることができる。


砂丘の「馬の背」に立つ当サイトのゆるキャラ(コチラの記事より)

ところで、鳥取市では、春・秋の行楽シーズン前の年2回、市内を流れる千代川の河口付近から砂丘海岸約7キロメートル区域を市民ボランティアが清掃している。

今回は、この市民ボランティアに参加して、砂丘の景観維持に貢献しようと思ったのだ。


砂丘まであと2.5キロの地点あたりから渋滞が発生

鳥取は人口が少ないので普段はそれほどでもないが、ちょっとしたイベントなどがあると意外と渋滞することがあるので、県外からお越しの際は注意してほしい。とはいえ、一斉清掃へ向かう車による渋滞も、鳥取愛あればこそ。


「春の鳥取砂丘一斉清掃」開会式

一斉清掃には、企業や学校など多くの団体が参加している。この取り組みは昭和55年から続いているが、今回は過去最高の4,500人以上の参加があったという。

写真では分かりづらいが、なかなかの好天で、風も穏やかな絶好の清掃日和。早速、ゴミを拾いまくって「鳥取愛」をどんどんと見せつけていこう!


こんなゴミがなぜ砂丘に・・・?


清掃開始!!

東西約7キロと広範囲だが、団体ごとに清掃エリアが分かれている。海から流れ着いたと思われるもの、訪問者が落としていったと思われるものなど、とにかくたくさんのゴミが落ちている。


ロープ?


消費期限がつい先月の生どら焼きのパッケージ

このゴミの落とし主が観光地である砂丘でコンビニの生どら焼きを食べることになった経緯に、想像の翼を広げざるを得ない。


カミソリの柄?


???

ほとんど、正体不明である。一体、どんな風に使われていたのであろうか?いずれにせよ、鳥取砂丘は国立公園なので、観光に来た皆さんは必ずゴミは持ち帰ってくださいね。(でも砂は持ち帰らないように!!)


ゴミの量だけ達成感を得る

老若男女、ゴミ袋を片手に真剣にゴミ拾いに取り組んでいる。今、この瞬間、鳥取砂丘は、鳥取で一番、いや全国で一番、「鳥取愛」「郷土愛」があふれた場所になっているのではないだろうか?


あふれる「鳥取愛」!!

親子連れも多く、子どもたちも真剣にゴミ拾いをしていたが、さすがに一部の子どもたちは、早々にゴミ拾いに飽きてしまって遊びに夢中になっていた。でも、それもまた次世代の「鳥取愛」を深めるきっかけになるだろう。


ゴミもポリ袋にあふれる(鳥取愛とのトレードオフ?)


清掃を終えたあとのもう一仕事

「馬の背」と呼ばれる砂丘列のこの勾配を、写真でお伝えできるだろうか?海側から砂丘の入口に戻るには、この傾斜を登らなければならない。

今回はあえて傾斜の一番きつい場所を通ってみている。明日は筋肉痛になるだろうけど、何てことない。だって鳥取愛に溢れているのだから。


清掃を終え、帰っていくボランティアの方々


本当は私も乗りたいが…

一杯になったゴミ袋を手にした彼らの背中には、達成感が漂っている。私自身の背中にも同様の達成感が漂っていたのではないかと思う。十分に私の「鳥取愛」を体現することに満足したので、砂丘観光の代名詞であるラクダに乗るのは我慢して、家路に着いた。

 

おわりに

住民の溢れんばかりの鳥取愛が、砂丘の美しさの維持に少し貢献していることがお分かりいただけたのではないだろうか。一層美しくなった鳥取砂丘へ是非、全国の皆さんも来ていただきたい!


ボランティアとはいえ、やはりいただけると嬉しい。

ちなみに、私がラクダを遠くからチラチラ見ている間、家族は本部から配布された洗濯用洗剤と「砂の美術館」入場券をお礼として受け取っていた。

宮田くんに先を越されているが、「砂の美術館」に行くきっかけもできた。ゴミ拾いに夢中になり汚れてしまった服は、この洗剤できれいに洗濯します!



 © 小笠原 拓 2015