「非海鮮丼」を作った(小笠原拓)

「ウニっぽさ」をいかに表現するか?

で、ここからが難題である。イクラと並んで「海鮮丼らしさ」を演出する上で必要不可欠(と私が勝手に思っている)なアイテムとして「ウニ」を挙げることができるが、こちらについては、イクラのような勝算はもっていなかった。


で、とりあえず、こんなの(カボチャ味の豆腐)を買った。

カボチャプリンも考えたが、それはいくら何でも味に支障をきたす(この後すぐに味はどうでもよくなってしまうのだが)と考えて、豆腐で手を打った。しかし、開けて見ると色はほぼうっすらと黄色がかっているだけ。ウニにはまだかなり遠い。

 
2種類の味噌と混ぜてみる。

ここからは、もうお手本のない世界なので、試行錯誤していく他ない。普通の味噌&柚味噌(この時点ではまだ味のバランスを考えていた)に醤油も加え、色および硬さがそれらしいものになるよう祈りながら混ぜるが…


絵に描いたような失敗!

結局、色も硬さもウニとはにても似つかないものになってしまった。食べ物を粗末にするわけにはいかないので、この味噌味の白和え(味はそれほど悪くない)の後処理(食べ方)を思案していたが、どうせ失敗なのだからと、一か八かでこの液体?に粉寒天を加えてみると…

 
奇跡キターー!!(欠けているのは、味見をしたから)

ちょっと大げさかもしれないが、ほとんど諦めていた(やけくそになって、余っていたデミグラスソースまで混ぜていたぐらいだ。おかげで味はかなり混乱した。)ので、正に奇跡という感じだった。この硬さなら何とかなりそうだ。


試作品。いいところまで来たんではないだろうか?(目を細めて見てください)

先ほどの固形物をビニール袋に入れ、小さな穴から絞り出したのち、スプーンで形を整えた(色が気になったのでケチャップも入れた)。何となくそれらしいものは出来そうな感じがしてきた。やればできるものである。


白イカも加えて仕上げだ!!


鳥取らしさも表現しようということで、白イカ(もどき)!

一応、カニ(カマ)はあるけれど、もう一つ駄目押しで、鳥取らしいものを加えようということで、さっきウニを作った時に使った粉寒天に牛乳を少量まぜて白イカをつくった。この辺までくると、ディティール(本当はもう少し薄く作りたかった)よりも、まず完成へ向かっていることが大事になってくる。味などは二の次、三の次である。


できあがった「非海鮮」たち。ご飯も久しぶりに炊いた。(炭水化物を控えてます。)

これだけあれば、それなりに海鮮丼っぽい感じが出るのではないだろうか。あとは、これらの材料を丼にバランス良く並べていけば完成である。お腹も空いたし、早く食べたいので、とにかく完成を急ぐ。


おお!イクラもウニもかなりいい感じだ!!


念のため説明すると…(作者の感想込み)

苦労はしたが、兎にも角にも、最初の思いつきを何とか形にすることができた。味も、予想されたよりは意外にまともで、イクラのつけ汁にワサビをまぜたものをタレ代わりにして食べると、アッサリとして結構いけた。もちろん、本物にはまったく敵わないが、想像していたものが形になる嬉しさがプラスされて、食事としては十分に満足した。


まとめ

・少なくとも、見た目的には十分に当初の予想をクリアできたので満足!!

・但し、正直なところ、値段的にも労力的にも、全然「カジュアル」なものにはならなかった。

・ウニを除けば、海鮮がなくても海鮮らしさを出すのは以外と難しくない(ホタテカマすげ〜!!)

・イクラとウニについては、ある種の技術をマスターした気がする(何の役にも立たないけど…)

・余ったタピオカの使い道について良いアイディアがあれば教えて欲しい…(非イクラ丼でもつくる?)

 
とりあえず「追いイクラ」でさらに満足。まだまだタピオカはあるぞ!!      


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 © 小笠原 拓 2015