愛知にある「鳥取」を探す旅(小笠原拓)
公開日:2016年9月7日


名鉄西尾駅!なぜこんなところに来たかというと…

先日、大学院時代のゼミの後輩(といってもほとんど会ったこともないのだが)から連絡があって、研究のことで少し会って話をしなければならない状況になった。とはいっても、相手の勤務先は愛知県。ちょっとやそっとで行ける場所ではない。

しかし、待てよ。確かその近くに「鳥取」という地名があったような…取材もできるということであれば、行ってもいいかな。(←こんなに安易でいいのか?)

という訳で、まだ見ぬ後輩に「別の用事もあるので、そのついでに会おう」と連絡して、愛知県まで向かうことになった。


さすがにサイトの取材だけしていた訳では…

なんて書いてはみたものの、やはり後輩との打ち合わせとサイトの取材だけで、愛知県まで飛ぶ(といっても飛行機はないので実際は陸路)訳にはいかない。他にもちゃんとした理由がある。

この秋の学会で研究発表を行う予定なのだが、その資料を調査するために、愛知県立大学附属図書館を訪れる必要があったのだ。


半日、図書館にこもって、こういう雑誌のコピーをしてました(地味…)。

今回調査した『国漢研究』は、昭和の初め頃、約7年間に渡って発行された雑誌で、この雑誌を所蔵している大学図書館は全国で25館のみ。全巻揃っているのは愛知県立大学と九州大学だけだ。(ちょっと真面目!)

という訳で、この大学を訪れるためというのが本当の目的で、その後、後輩らと会って打ち合わせをし、さらに次の日、サイトのための取材をして帰るという予定を立てた。


打ち合わせでは名古屋名物「味噌カツ」を食べた(ちゃんと真面目な話もしました)。

現在のゼミの状況や今後の研究の進め方などについて、いろいろと貴重な話を聞くことができた。とりあえず旅費の元は取ったので、明日は本当の?目的地に向かうことにしよう。


レンタサイクルでいざ目的地へ!

今回の目的地は、「愛知県西尾市平坂町鳥取」。例によって、他県にある「鳥取」探し(コチラコチラ参照)である。以前、検索等で見つけて、いつか機会があれば行ってみたいと思っていたのだ。

ただ、ちょっと厄介なことに、公共交通機関が近くを通っていない。最寄駅である名鉄西尾駅からも約4〜5キロ程度離れた場所にあるらしい。


という訳で、レンタサイクルを借りた。

西尾駅のすぐ下にある観光案内所で、電動自転車の貸し出しをやっていたので、借りることにした。1日500円(3時間以内なら300円)と格安。普通の自転車なら無料だったが、物珍しさもあり、体力的な負担も考えて、電動自転車を借りることにした。

電動自転車は快適で、目的地らしいところには約20分ほどで到着した。が、ここからが少々問題だった。以前にも似たようなことがあったが、「鳥取」を示す公共的な表示のようなものが見当たらないのだ。


でも確かにここは「鳥取」なのだ!!


「鳥取」をさまよい続けて見つけたものたち

あたりは、いわゆる住宅地で、ほとんどが民家である。近くにお好み焼き屋さんが一軒あったが、残念ながらそこも定休日。あまり話しかけられるような人も見当たらないので、とりあえず辺りをウロウロとさまよう。

なかなか「鳥取」の表示は見つけられないが、おもしろ物件には色々と出くわす。西尾市平坂町、なかなかあなどれない町である。例えば…


「抹茶より濃い」自動車教習所や…(なぜここで抹茶??)


飛び出すトー○ス的な機関車(なかなかの飛び出しっぷり…)


日本とは思えないタクシーたちも…(東南アジア的な?)

  
ついには謎の城郭風建築までお目見え!(こっ、これは!!)

最後の城郭風建築に至っては、もし「鳥取」探しが目的でなければ、突撃インタビューを敢行するべきおもしろ物件だったかもしれない(そういう思いもちょっとよぎった)。とはいえ、かなり長い時間、町をさまよって疲れていたこともあり、急な路線変更は危険と考えて、今回は諦めた。


「梨子山」を発見!!

結論から先に言うと、今回の調査で「鳥取」という地名が書かれた表示を見つけることはできなかった。まぁ、この地域が「鳥取」という地名であるということは、私のGoogleが嘘を言っていない限り間違いないはずなので、今回はこの辺りで勘弁してほしい。

ただ、実は鳥取の隣にもう一つのおもしろ地名を見つけてしまった。それは…


梨子山!!


トドメにもう一つ!

少し前にあげた地図で確認してもらうと分かるのだが、この「梨子山」は「鳥取」のすぐ近くにある。「鳥取」と「梨」がすぐそばにあり、なおかつ「こやま」が並んでいるなんて、「ここは鳥取大学前か!」と突っ込みたくなるが(鳥取大学は鳥取市湖山《こやま》町にあります)、何度も言うようにここは愛知県である。

特急と新幹線(新甘泉ではない←鳥取限定のギャグです。分からない人は検索するか無視して下さい)を乗り継いで約5時間、鳥取と愛知の奇妙なつながりをこの目で確認することができたので、鳥取に戻ることにした。


まとめ&ちょっと反省

・以前行った「大阪の鳥取」と比較して、今回の「愛知の鳥取」はかなり範囲が限られていた(おそらく住宅街一区画といった感じ)こともあり、なかなかいい表示が見つからなかった。

・取材の途中、この地域にあるゴミ集積場で働いているおじさんに少し話を聞くことができたのだが、この辺りが「鳥取」であることは間違いないものの、その理由については、よく分からないとのことだった。

・今回は「鳥取」目当ての旅だったので、西尾市には他にも色々な観光名所がある(抹茶の産地でもあるらしい。あっ、だから「抹茶より濃い」なのか)にも関わらず全く行けなかった。今度訪れた時には「鳥取」を忘れてじっくり観光地を回ってみたい。

・自転車を降りてふと自分の腕を見ると、恐ろしいほどに日焼けしていた。夏場の屋外での取材には、日焼け止めは必須だな…と少し反省した。


ちょっと引くぐらいの黒さ。夏の日焼け対策の大切さを知った…


 © 小笠原 拓 2015