箱に泊まり焚き火に癒される休日(小笠原拓)
公開日:2025年6月23日


箱??

はじめに~『おひとりさまホテル』に憧れて…~

最近、愛読している漫画の一つに『おひとりさまホテル』(マキ ヒロチ(著) まろ(原案) )という作品がある。ホテルに泊まることが好きで、一人でホテルに泊まることを趣味にしている若者たちを描いた漫画である。

漫画に出てくるホテルは実際にあるホテルで、「こんなホテルに泊まれたらいいな〜」と思わせるものばかりである。とはいえ、漫画に出てくるぐらいのホテルなので、ほとんどが高級ホテルで、出張なんかのついでに泊まれるような場所ではない。

何とか気分だけでも「おひとりさまホテル」を味わえる場所がないものか、ネットを探していると、ゴールデンウィークの最終日に、おあつらえ向き(しかもリーズナブル)のホテルを見つけることができたので、そこでの体験をご紹介したい。


KOYAに泊まる


水景色の指定席「湖屋(KOYA)」

ネットで見つけたホテルは、鳥取県中部の湯梨浜町にある「湖屋(KOYA)」というホテルである。この地域はかつて「羽合(はわい)町」と呼ばれており、そのなかにある温泉地は「はわい温泉」という名で知られている。かつては、「鳥取のハワイ」と呼ばれていたりもしたところである。

「湖屋」も「はわい温泉」内にあり、おそらくかつては温泉宿であったのではないかと推測される。(周囲には温泉旅館が立ち並んでいる。)しかし現在、このホテルは普通の温泉旅館とは一線を画する姿となっている。


宿泊客が泊まるキャビン(JYUBAKO)

通常、温泉旅館と言えば、和室中心の建物で、1泊2食付き、温泉+豪華な夕食と朝食を楽しむ施設であろう。しかし「湖屋」は、「JYUBAKO」と呼ばれるキャビンが4棟あり、そこに泊まるのが基本プランである。夕食はバーベキューかホテルのカフェで食べることになっており、一般の温泉旅館とはかなり違った趣がある。

しかも料金もリーズナブルで、私が宿泊した5/6でも1泊8800円(食事等は別)であった。非日常の空間が感じられ、かつ値段もリーズナブルという、庶民が「おひとりさまホテル」気分を味わうにはうってつけのホテルとなっているのである。


キャビンの前には東郷湖が広がっている。


JYUBAKOのご紹介

冒頭の写真を見て頂いたら分かるように「JYUBAKO」は正に「箱」といった感じである。本当にここに泊まれるのか。ちょっと不安になる人もいるかもしれない。でも安心して欲しい。内装はしっかりホテルの一室となっている。


水道、冷蔵庫、ポット、ランタン、ブルートゥース・スピーカー。

入り口から入るとすぐのところに、水道など生活に必要なものがコンパクトに設置されている。これだけ見ると通常のホテルと変わらない感じである。箱の外観に合わせて冷蔵庫のデザインも木目調になっており、おしゃれ感が漂う。


テーブル、ベッド、ソファーなど。

反対側にはソファー、テーブル、ベッドがセッティングされており、こちらもコンパクトにまとまっている。天井がやや低い感じだが、広さ的にはむしろ通常のビジネスホテルのシングルルームなどよりはゆったりしており圧迫感はない。コンセントなどもあり、スマートフォンなどの充電にも困らないようになっていた。


間接照明に照らされるベッド。

ベッドはダブルベッド(クイーンサイズ?)の大きさでゆったりしている。こちらも普通のホテルのシングルルームにあるベッドよりはるかに大きい。マットレスはふかふかで、寝転ぶと沈み込むような感じで心地よい。近くに窓も二つあり、間接照明にも照らされて、こちらもおしゃれ感満点である。


風呂は貸切!

部屋を堪能したところで、お風呂に入ることにする。冒頭に述べた様に「湖屋」は「はわい温泉」のなかにあるので、お風呂は当然、温泉である。キャビンから少し離れたホテルフロントの建物内に温泉が二つも完備されている。


内風呂その1。

えっ、温泉内の写真って撮影できるの?と思うかもしれないが、実はこの温泉、貸切で使用できるのである。(しかも無料!)それぞれのお風呂の入り口に、パネルが置いてあり、自分が入る時は「使用中」という表示にすれば、この広いお風呂を独り占めして堪能することが出来る。


内風呂その2。

せっかくの貸切で、二つも温泉があるので、滞在中、夕方、夜、朝と3度も温泉を堪能してしまった。貸切なので、他人の目も気にすることなくゆっくり入れるのは、大変気持ちいい。これも非日常の体験で、「おひとりさまホテル」感が満載である。


内風呂その1に併設の露天風呂。

内風呂のうちの一つには、露天風呂も併設されていた。開放的な空間であるが、外からは見えないように囲いがしてあり、こちらも外の目を気にすることなく入ることができる。お風呂は内風呂に比べれば、少しぬるめだが、開放感を感じることができて、これはこれで気持ちよく、とても癒された。


食事はCAFEでピザ

食事は食材をもってくればバーベキューも可能のようだが、私は食材をもってきたりはしていなかった(しかも当日は雨も降っていた)ので、併設されている「湖屋カフェ」で夕食を食べることにした。「湖屋カフェ」にはピザ窯が設置されており、焼きたてのピザを食べることが出来る。


ピザ窯でピザが焼かれる。

せっかくなので、「森のピザ」と「畑のピザ」(だったと思う)のハーフ&ハーフを注文!付け合わせに一人用サイズのサラダも注文した。あと大人なので、飲み物にはワインを注文した。(ワインはウェルカムドリンクサービスで無料!だった。)


豪華!

ゴールデンウィーク最終日に、何とも孤独のグルメ感が溢れる食事になってしまった。思わず、写真をXでポストしたら、めずらしく10いいねもついていた。「孤独のグルメ」にみんな反応したのだろうか?ピザは焼きたてで、サラダも含めて本当に美味しかった。温泉地でピザというのも、なかなか非日常だけど悪くないなと感じた。(2ページ目に続きます。)


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