「東京の鳥大」にもう一度行きたい…(小笠原拓)
公開日:2020年4月28日


青空の下の街歩きが懐かしい…(取材は今年2月のものです)

緊急事態宣言で…

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言で、世の中が大きく様変わりしつつある。本来ならゴールデンウィークの真っ最中で、人通りが賑やかになる頃であるが、鳥取でも人の流れは随分と少なくなっている。

大学も(内側では色々あったものの)とりあえず6月半ば頃までは、原則オンラインによる授業のみとなり、キャンパスも人通りもかなり少ない。(但し今のところ、教職員は出勤しなければならないことになっている。リーモートワークを推進してほしいなと、個人的には思っている。)

こういう時に、当サイトでどんな記事を書くのか、大変迷うことになるが、とりあえず今日は、昨年2月に訪れた「東京の鳥大」に着いてお話ししたいと思う。「東京にあったら鳥大じゃなくて東大やん(関西弁)」というツッコミが聞こえて来そうだが、後でちゃんと説明するのでぜひ最後まで記事を読んでほしい。


出張先で鳥取を探す

以前から読んでいただいている方はご存知かもしれないが、このサイトでは何度か、「鳥取以外の場所にある鳥取に関係があるもの」を探すというネタを取り上げている。仕事柄、出張などで県外に行くことも多いので(現在は全く行けなくなってしまったが)、普段からネタになりそうな場所を探していたりする。


十条駅。(ここでググらないように!オチがバレる)

という訳で今回取り上げた街は十条。人気漫画『東京都北区赤羽』(清野とおる)でお馴染み「赤羽駅」の隣の駅である。ここに冒頭に挙げた「東京の鳥大」があるのだ。(余談だが、『東京都北区赤羽』は地域学部の学生は是非読んでおいて欲しいと思っている漫画だ。)

但しいきなり現場に直行するのも芸がないので、とりあえず周辺をブラブラと町歩きしてみることにした。


十条は相当に鳥取である

十条は、東京といっても都心からは少し外れており、いわゆる下町といった風情のある地域である。「東京の鳥大」以外、それほど予備知識なく訪れた十条であったが、そういう目で見るからかもしれないが、意外なほどに鳥取との共通点が見えてきた。嘘だと思うなら、以下の写真を見てみてほしい。


「かぶらや」はないが「かぶら亭」は鳥取の有名居酒屋である。


同じ名前のカフェが用瀬町にある。(嘘だと思う人はググってください。)


「プチメゾン」ってカフェは大学近くにあるよね。(これは強引か???)


お菓子屋じゃないけど、「武蔵屋」なら素ラーメンの名店が鳥取にあるぞ。


同じ名前ではないが、かなりテイストの似た名前のラーメン屋は鳥大生御用達だ。

と、ざっとこんな具合である。他にも色々あったのだが、「幾ら何でも強引すぎるやんけ(関西弁)」というツッコミがまた聞こえてきそうなので、これくらいにしておきたい。単に私が鳥取のお店情報に妙に詳しくなりつつあるということを意味しているだけなのかもしれない。


ちょっと真面目な情報も…

当サイトの記事は、基本あまり真面目になりすぎないタッチで書くことになっているが、ふざけてばかりで呆れられては困るので、ちょっと真面目な情報も載せておこう。十条には北区立中央図書館があるのだが、これがなかなかに立派な建物なのである。


軍隊の駐屯地だった建物を改装したらしい。

以前の記事にも書いたように、鳥取県立図書館は、全国的にも評価の高い公共図書館として知られているが、「区立」の図書館がこのような規模であるということを見せつけられると、「やっぱり東京は違う」と言わざるを得ない気分になってしまう。

ちなみに北区立中央図書館には、著名な日本文学研究者であるドナルド・キーン氏の蔵書が寄贈されており、館内の一画に「ドナルド・キーン・コーナー」が開設されている。国語の先生を目指す学生たちには、是非、訪れてみて欲しい場所でもある。


館内でもらったパンフレットとしおり(館内は撮影禁止)


ようやく「東京の鳥大」に到着したのだが…

そうやってブラブラと街を観察しつつ、とうとう目的地である「東京の鳥大」に到着した。念願のご対面である。ここまで「そんな場所あるの?」と疑いながら読まれてきた皆さん、証拠をごらんください!


ほら、本当に「鳥大」でしょう?(大学とは言ってない)

「東京の鳥大」は有名な惣菜のお店であった。「チキンボール」と呼ばれる鶏肉ミンチの唐揚げで有名なお店である。テレビやネット、雑誌や漫画などでも比較的取り上げられることが多いお店なので、東京のお店事情に詳しい人なら、何となく気づいていたかもしれない。


但し残念ながら臨時休業!

頼りのGoogle君は、営業日と表示していたので、全く予想していなかったのだが、祝日のため休業していたのだ。無念すぎる!!しかも、この時は「また東京出張もあるだろうし、次の機会に行けたらな〜」と、呑気なことを考えていたが、今となっては、次にいつ訪れることができるのか、全く分からなくなってしまった。この店を訪れる機会が再び巡ってくることを祈るばかりである。


アルバイト募集の張り紙。今はどうなっているんだろうか?


とりあえず「チキンボール」だけでも食べよう

残念ながら「東京の鳥大」の名物を食べることはできなかった。しかし、この店が有名だからか、それとも土地柄なのかよく分からないが、似たようなお惣菜屋さんが、近く幾つかあり、そのいずれもが大盛況で行列を作っていた。とりあえつ「チキンボール」だけでも食べておきたい。


小さな店だが、結構な行列が続いていた。

いくつかの店の中で、少し並びやすそうな店を選んで、チキンボールと焼き鳥を買った。お昼時だったので、缶ビールも一本買って、昼間から公園で一人飲みを敢行することに。こういうのって、大人の楽しみである。この記事を読んでいる学生諸君も、20年後には、この楽しさが分かるようになるかもしれない。


写真を見ただけで幸福感を思い出す…

まだ2月で寒かったので、お世辞にも「優雅な一人飲み」とはいかなかったが、それでも気分だけは贅沢な休日を味わうことができた。今となってみれば、改めて、こういう「普通の日常生活」がどれだけ大切なのかを感じずにはいられない。(ちょっと話が湿っぽくなってきましたね。ゴメンナサイ。)


今は Stay Home でもいつかは…

繰り返しになるが、この記事の取材に行ったのは今年の2月半ばで、コロナウイルス云々といった話も「中国でそんなことになってるらしいけど、大丈夫かな〜」といった感じでしか語られていなかったはずである。こんなにあっという間に世の中が変わってしまうことが起こりうるということについて、改めて考えさせられている。

こんな風に東京の街を気楽に歩けるようになるには、まだまだ時間がかかりそうであるが、いつか状況が良くなったら、改めて色んな場所を訪れて、その土地の中にある「鳥取」を探してみたいなと思っている。

今のうちに、訪れてみたい場所を探して、心のデータベースに保存しておこうと思う。


十条にはユニークな名前の居酒屋も多かった。ここにもいつか行ってみたい。


 © 小笠原 拓 2015