結論を焦らない

学生たちによるレポートやプレゼンなどを読んだり聞いたりしていると、ものすごく「結論が早いな」という印象を受けることが多い。

どこでそういう思考法を身につけてくるのかよく分からないのだが、仮説→検証→結果という論の展開に強引に当てはめようとして、無理やり結論を言っているような印象を受ける。

私自身の卒業論文に関していうと、ほとんど「仮説」しかないような論文で、実際には何も検証していなかったし、何か明確な結論を導けた訳でもなかった。しかし、それはそれで、自分なりの達成感があった。(今考えると、決して褒められたものでもなかったけど。)

もちろん研究者になってからは、さすがに、そんな論文ばかりとはいかない。とはいえ、論文における結論はあくまで暫定的なものと考えているし、性急に結論を出さないよう、いつも自分を戒めていることも事実である。そもそも、あっさりと結論が出てしまったら、それ以上することがなくなってしまう。

あえて誤解を恐れずに言えば、いくら研究を進めてもなかなか全貌が分からないという状態が、研究者的には一番楽しいし、やりがいがある状況だと思う。


 © 小笠原 拓 2015