夏の日の不思議体験…(博田恭輔)
公開日:2016年9月29日


本屋って不思議な出会いがありますよね…

今回は「夏休みに私は何をしたか」というテーマで、記事を書いてみたいと思う。実際、夏休みにしたことを挙げればいくつかある。花火を見たし、海にも行った。さらには旅行にも行きたかった(これは願望)。

でもそれらについては、あんまり特筆すべきこともなく、読者の皆さんの興味をかき立てられそうなことも書けないような気がする(写真をほとんど撮ってないという現実的な問題もある)ので、今回は記事にはしない。

その代わりと言っては何だが、最近体験した不思議な出来事について書くことにしたい。


なぜ私は夏休みに本屋を訪れたのか

先日、私は本を買いに出かけた。

そもそも以前の私は、本を読むということを何となく敬遠していたのだが、先輩の企画する「読書会」なるものに参加するようになってから、本に手を伸ばすことが少しずつだが多くなってきた。

そして今回、生まれ変わった私は自ら書店へと足を運ぶに至った。

向かった先はここ↓↓


鳥取県東部で一番大きな書店!!

そう、鳥取県東部地域ではおそらく一番大きい書店、今井書店吉成店である(※編集部注 伏字にしようか迷いましたが、この記事唯一の鳥取情報なので原文のまま残しました。特に問題がないとは思いますが、万が一、差し支えがあればご一報下さい。)

その書籍の多岐に渡るジャンルの豊富さと圧倒的在庫数で鳥取県内、中でも鳥取県東部では多くの県民から一目も二目も置かれている書店である。

そんな店舗に一目も二目も置いている県民の一人である私は財布片手に赴いたのだった。


本屋の中で考えたこと

胸騒ぎと共にいざ書店に入り本を探す。以前の私なら、


割と流行に敏感なタイプかもしれません…

こんなコーナーや、


意外とファッションにはうるさいタイプだと思います…

こんなコーナーに足を止めてはお目当ての品を物色していただろう。

しかし今の私が探し求める品はこんなところにはない。もちろん素通りである。再び歩き始める。そんな中、おすすめコーナーと呼ばれるところにこれがあった。


選ばれし書物だけがもつオーラが…

他の本とは一線を画すオーラを放つこの本。その名は『コンビニ人間』(村田沙耶香著)である。今年の芥川賞受賞作品であり今最も売れている本の一つだ。私はこの本を目にして一目惚れをし、即座に購入を考えた。

しかし、私は瞬時に自分の頭の中で、次のような計算を行っていた。

「この本は今話題であるが故に多くの人が読んでいるだろう。よって物語的には面白いことが想定できる。だがいかんせんこれを買うことは世間的にはミーハーだと認識されており人として面白みが全くない。なにより今更である。」

さらに、こうも考えた。

「こういう世間の雰囲気に影響され、書店の宣伝策略にまんまとのせられ気付いたときには購入している。しかもさっきこの本は面白いことが想定されるって言ったけど根拠はない。まさに右も左も分からない我々のような読書素人が一番陥りやすいトラップではないか。危ない危ない、気付けて良かった〜。」

  

自宅にて

こうして私は、トラップに陥ることもなく、無事に自宅まで戻った、はずだった…。


ん?


んんん?

以上、私が体験した夏の日の不思議体験である。(完)


 © 小笠原 拓 2015