コスプレ魔女、ラッキョウ畑を駆け抜ける(本田理沙)
投稿日:2015年11月1日


ラッキョウの花が紫って知ってました?


最近巷では市民マラソンが流行っているようです。しかし、運動が大の苦手である私がこのようなイベントに参加するはずがなく、自分には縁のないものとして人生を歩んできました。

しかし、こんな私が今回『第29回 鳥取砂丘らっきょう花マラソン大会』に大学の体育の授業の一環で参加することになってしまったのです。私にとっては、ほぼ罰ゲームのような課題なのですが、せめてのもの救いが5キロでもよいとのこと。

体育のS先生(ウェブマスターの先生ではありません)の「課題だからちゃんと出ないと単位出せないよ〜」という言葉に軽いめまいを感じながらも(大学生はこの言葉に弱い)、5キロならばできる限り運動を避けてきた私のような人間にとっても何とか意地で乗り切れそうだということで、同じ境遇の哀れな友人たちと参加することになったのです。

 

どうせ走らないといけないのならば…

そして、せっかく参加するのであればやはり自分なりに楽しんで参加しないともったいないと考えた私。無い知恵を振り絞って考えてみました。私の持ちうる全能力を総動員してもマラソンにおいて良い成績を残せるわけがなく、別の方向から楽しめないだろうかと考えました。

そこで着目したのが、10月25日という日付です。10月末と言えば、世間ではハロウィーンが流行っています。そこで、1週間早いのですが、このマラソンでは、仮装をしながら走ってみようと思いつきました。

  こちらが鳥取砂丘らっきょう花マラソン大会のチラシです。

思い立ったが吉日と100円ショップに走りました。自宅には黒のワンピースがあり、友人からハロウィーンと書かれた帽子を借りている私は、魔女になれるな、と考えました。

せっかく仮装するならば私だとはわからない格好をしよう!そこで100円ショップでは、茶色のロングのカツラとつけまつげを購入しました。これで、マラソンの準備はバッチリです。当日のことを思い描きながら前日は早めに寝ることにしました。

 

恥ずかしさを振り切ってスタート!!

さて当日です。お天気にも恵まれ、絶好の仮装日和です(マラソンだろ、という声が聞こえてきそうです)。友人たちと鳥取砂丘のスタート地点に行くと私は愕然としました。

会場におられる参加者の皆さんが真剣だったからです。市民マラソンということ、ハロウィーンが近いということから仮装している人は、私以外にもいるだろうと思っていたのですが、仮装をしている人は全く見当たりません。

完全にマラソン愛好者という佇まいの方々ばかりで、スタート前から入念に体をほぐしている人ばかりでした。

こんなふざけた格好(ハロウィーンの帽子、黒のワンピース、茶色のロングのかつら)で走って大丈夫だろうかという不安と、ここにきて羞恥心がこみ上げてきました。









ノリノリで魔女になっている私(笑)この時点では、まだ恥ずかしさはなかったはずなんですけどね…

しかし、悩んでいる間にも刻々と時間は進んでしまうもので。スタートの時間となりました。意を決して魔女?の恰好をした、周囲から浮きまくっている私はスタート地点に赴きました。合図とともに走り出しました。


スタート直前の様子です。


周囲からの声援を受けながら…

走り出してみると想像以上に風が強く、ハロウィーンの帽子が吹き飛ばされそうです。帽子を押さえながら、らっきょうの花畑を黒のワンピースで走り抜けました。

途中で沿道におられる地元?のおじいさま、おばあさまやおじさま、おばさまから「ハロウィン、頑張れ~~」「かわいいよ~」などと温かい声を掛けていただきました。

また、ランナーの方からも「魔女さん、頑張って!」などと声援をいただきました。


らっきょうの花畑を走り抜けていくランナーの方々。

ゴール直前に、ゴール横にいた子どもから「まじょさん、がんばって~~」と声をかけてもらいました。その声に元気をもらった私は無事にゴールまで走りきることができました。


ゴールです。

沿道の方やランナーの方々の声援があったからこそ、ゴールまでたどり着くことができました。そして、走り終わった私はすぐにカツラを脱ぎました。いかんせん、カツラは暑いんですよね…


コスプレの効用?!で地元テレビにインタビューされる

ぼろぼろな状態になっている私に声をかけてくる人がいました。

何と地元のケーブルテレビの方でした。ぜひ、インタビューに答えて欲しいとのこと。一度はあまりのぼろぼろな姿のため断りましたが、せっかくの機会ということもあり、脱ぎ捨てていたカツラを再び被り直し、インタビューに答えてみました。

なぜこのような格好で走ったのか、来年も参加したいと思うか、などを聞かれました。(放送されたのかどうかは、今の所不明です。見かけた人がいたら教えてください。)

インタビューを終えた私は、友人たちとクールダウンもそこそこに無料でふるまわれている豚汁をいただきに行きました。里芋やゴボウ、ニンジン、豚肉、モヤシなどたくさんの野菜とお肉が入っていて、マラソン終わりの私の体を癒してくれました。とてもおいしかったです。


具沢山で、体も心も温もりました。

そして、マラソン前から気になっていたらっきょう肉まんも食べました。

匂いは食べる前からラッキョウのにおいが大変香っていたのですが、食べてみるとそんな匂いも気になることなく、肉まんでした。これもおいしかったです。

 ラッキョウ肉まんの看板(こういうのは、やっぱりソソられますよね〜)

さて、今回初めてのマラソンを仮装をしながらという無謀な挑戦ではありましたが、楽しく参加できました。

でも、参加というよりは私の中では参戦したという心持ちです。(何というか、色々と戦いでした…)魔女という変な格好で参戦していた私に「頑張れ~」と声をかけてくださった皆様、ありがとうございました。


まとめ

・最初は恥ずかしさに戸惑いましたが、鳥取の人は本当に優しかったです。(鳥取の優しい方々の声援のおかげで、苦手なマラソンも頑張れました。)

・走る前はどうなることかと思いましたが、マラソンは意外に走ってみると楽しかったです。(S先生、冒頭に恨みがましいこと書いてゴメンナサイとてもいい経験ができました。

・声援を受けたり、インタビューをされたり、最初は場違いかな〜と思いましたが、コスプレには思った以上の効用がありました。恥を捨てた先に、見えてくる景色がきっとあると思います。(多分ですが…)

・という訳で、もし機会があれば(?)、今度はもっとクオリティーの上がった仮装で参戦してみたいです。(でも、卒業論文を控えた来年の今頃は、そんな余裕はないんだろうな…) 

 


 © 小笠原 拓 2015