特に意味もなく研究室に一泊する(小笠原拓)
公開日:2023年6月20日


なぜ、こんな時間に大学にいるのか???

はじめに

特に意味はない。本当に特に意味はない。強いて言うならば、何となく「今日の夜は食事をしないでおこうかな」とおもったのがきっかけかもしれない。そう思ったら、何となく自宅にいるのが嫌になってしまった。そんなところである。

先に私の状況を話しておいたほうがいいかもしれない。これまでの記事で何度か書いた体調不良は、薬のおかげで比較的落ち着いてきた。但し不眠が続いていて、体調的には万全という感じではない、そんな状態である。

不眠といっても、全く眠っていない訳ではない。昼間に居眠りをするようなこともないし、多分どこかで眠っている。ただ、なかなか寝付けないし、しっかりと眠った気がしないそんな毎日が続いている。

眠たくなければ寝なければよい。なら、研究室で一泊すればよいではないか(やはり、論理の飛躍があるな)。そんな軽い思い付きで、土曜日の夕方の研究室に来てしまった…


とりあえず何か書いておく

研究室に泊まったことが無い訳ではない。しかし、たいていは論文や書類の締め切りに追われていた時で、今日のように本当に理由もなく一泊しようというのは初めてである。記事にするという思いがなければ、すぐくじけてしまいそうである。という訳で、さっそく記事を書きながら過ごすことにする(長すぎたらカットするけど)。

一応、研究室なので本はたくさんあるし、(授業などに関連して)読むべき本も手元においてあるので、やることにはそんなに困らないだろう。あと、私の研究室にはテレビが置いてあり、動画などもみられる仕様になっているので、困ったときにはエヴァンゲリオンの一気見(なぜ?)でもしてみようかと思う。


読むべき本はいろいろある。

あとは、いろいろと思うがままのことを書いてみよう。どうせ、後でおかしなところはカットすればよいのだから。ぼんやり書いていると、けっこうな文字数になっている。とりあえずお茶でも飲んで一回休もう。


まずは本でも読みながら過ごす

17:30~18:30
1時間ほど本を読む。狩野俊『高円寺 古本酒場ものがたり』。卒論のテーマとして、この酒場のことを学生に勧めたので、買っておいた本である。来週には学生に渡すので、とりあえず読んでおく。今読んでいるところは日記なので、軽く読めるが、テンポよく進まない部分でもある。

そもそもここ数年、趣味として本を読むことがあまりできていない。仕事で読まなければならないものは何とか読めるが、それ以外のものは体調不良もあって、なかなか頭に入ってこない。というか、本を手に取ろうという気持ちになかなかならない。今日は久々に気持ちに余裕がある気がする。

まだまだ夕方。夜になるまで挫けずにいられるだろうか。


この酒場には数度、実際に行ったことがある。

18:30~19:30
散歩に出る。一応、ダイエットに寄与してるつもりだが、そんなに効果があるわけではないのだろう。とはいえ、座っているばかりでは疲れるので、適度な運動は必要である。雨が降りそうだと思って傘を持って行ったが、意外ときれいな空が写真にとれたので、満足して研究室に戻る。

とはいえまだ宵の口。少しおなかが減ってきたが、今日は夕食は食べないつもり。


あんまり見たことのない空の色。


どうやって時間を過ごせばよいか?

19:30~21:00
ちょっと酔狂なことを思いつく。ゼミの学生がキャンプをしたいと言っていたが、テレビの画面に焚火の動画を流したら、ちょっとしたキャンプファイヤー気分を味わえるんじゃないだろうか?そう思って、YouTubeを探してみると、やっぱりそんな動画が溢れている。みんな考えることは一緒なんだなと思いつつ、焚火動画を流しながら本を読む。

『高円寺 古本酒場ものがたり』を読了。


バーチャル・キャンプファイヤー?

21:00~22:00
二度目の散歩。さすがにあたりは暗くなっており、街灯の光だけが妙に明るい。大学構内の芝生ゾーンをめちゃくちゃな方向に歩いていたが、遠くのベンチにカップルが座ったので、おかしな人と思われないように場所を変える。別の場所を歩いていると、ダンスの練習をしている学生を二組見かける。夜に一人で歩くといろんなことを考えるが、何を考えてたかは内緒である。

だいぶお腹がすいてきたが、まあ食べなくても大丈夫な気がする。


夜9時の大学。街灯と時計だけが妙に明るい。

22:00~23:30
画像生成AIソフトで遊ぶ。前回のゼミである学生が「『いらすとや』の画像を使って本のタイトルを当てるクイズを作ったら面白い」ということを言っていたのを思い出し、「それって画像生成AIソフトでできるのでは?」と考えた。やってみると意外と面白いが、クイズを作るまでには至らなかった。でもいいソフトがあれば、面白そうな気がする。もうちょっと考えてみたい。

結構時間を使ったが、それでも0時前である。まだ夜は長い。


画像生成アプリが描いた「羅生門」。

23:30~2:00
焚火画像を見ながら横になる。さすがにだいぶ疲れてきた。眠くなってもいい時間だが、先に書いたように、なかなか寝付けない体質になってしまっている。とりあえず焚火画像を見ながらソファで横になるも、やはり寝付けない。一方、焚火動画はいつまでも見られる感じがする。

結局、2時間半も焚火動画を見続けてしまった。酒があればさらに最高だったが…


『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』を一気見する

2:00~5:00
『エヴァンゲリオン』ではなく、学生に勧められていた『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』を一気見する。タイトルからして不思議な庭の話かと思ったら、人の名前だった(ここ、笑うところだゾ!)。正直、キャラクターデザイン的には、私のようなオッサンが見るものではないような気がしたが、話の内容は結構深く、「言葉とは何か」を考えさせるストーリーのようだ。学生から学ぶことは多い。

とりあえず7話まで見た。もう今夜は眠るのはあきらめた。


オッサンが見るキャラクターではない気がするが…

5:00~5:30
3回目の散歩。曇っているので太陽は出ていないが、もう空は明るい。少し湿った空気ではあるが、朝のさわやかな時間の散歩は気持ちいい。6時間近くソファーに座っていたので身体をほぐすためにも少しは歩いた方がいいだろう。もういいかげん、同じ道を歩くのは飽きたけど。

さすがに少し眠くなってきた。あと結構お腹がすいてきた。


朝5時の大学。空気がさわやか。

5:30~8:00
『ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン』の後半、8話から13話までを見る。戦争シーンが一気に増えて、主役のヴァイオレットちゃんが傷だらけになっていくのが見ててかわいそうだったけど、話としてはいい話だった。少なくとも「卒論に書きたい」という学生がいれば、私のゼミなら許してあげたい(いや、実際書くとなったら難しいと思うけどね)。

とりあえず、一夜を過ごした。そろそろ帰るとしよう。


おわりに

全くの思い付きであったが、とりあえず15時間近く研究室にいて、一夜を過ごすことができた。バカバカしい記事になりそうで、個人的には大変満足である。これを読んだ学生たちが、おかしな教員だなと思うことはあるかもしれないが、とりあえず、まだ体調不良なので、そこんところは大目に見てほしい。

とりあえず、眠れないときは寝なければよいことがわかった。あと、焚火動画はかなり飽きずに見られることもわかったので、今後も使っていきたい(笑)

 
バーチャル・キャンプファイヤーはおススメです。


 © 小笠原 拓 2015