ファインダー越しに見る、私の地域学(E.K.)
公開日:2022年7月5日


高校時代にお小遣いを貯めて買ったカメラです。

私にとっての写真とは

私は高校時代に写真部に入っていた経験もあり、カメラで写真を撮ることが趣味です。

今回記事を書くにあたり、自分の好きな物について考えた時に真っ先に思い浮かんだのは「写真」でした。ということで今回は、「写真」について考えてみました。


写真が上手くなりたい!

ある日、文化祭で写真部も展示をするので、夏休みの間に展示用の写真を撮るようにと顧問の先生から言われました。趣味で写真を撮っている顧問の先生は「上達したかったら、まず数を撮れ。」という金言を週3くらいで伝えてくれました。

私たちはさっそく先生の金言を守り、依頼を達成すべく、各自で観光地など、いい写真が撮れそうな場所に足しげく通いました。


この時期撮影した興福寺。構図は工夫したつもりだけど…

たくさん写真は撮れたものの、本当にお気に入りの1枚というものには、なかなか出会えませんでした。高い交通費をかけた割にはあまり撮れないこともしばしばあり、そういう時は決まって投げやりな気持ちになったものです。


これも当時撮った鹿。舌ペロなシカちゃんは割とレアだと思うのですが…


花火大会が教えてくれたこと

夏休みも中盤になり、当時高校3年生であったこともあって学校では補習が始まり、写真に割ける時間がかなり少なくなってきました。そうなると近場で撮るしかないのですが、田舎に住んでいたため写真映えするような、そういった何か目新しいものがないのです。

そんな中、地元の花火大会が間近に迫っていました。受験生なのにお祭りなんて行って良いのか、仏罰を得てしまうのではないか……という罪悪感はありましたが、普段(勉強している…!!)と自分に言い聞かせながらYouTubeを視聴している時間を考えると、何を今更という感じだったので諦めて行ってみました。


その時撮った写真。何か幻想的な感じ…

花火大会と言っても、都会のような大規模なものではなく、寄付や募金などで成り立っているものなので年々その規模は縮小しています。出店の並ぶ列は年々短くなっています。そんな悲しきお祭りです。

生まれた時からずっと行っていたので、さほど期待はしていませんでした。しかし、ファインダー越しに覗いた夜空の大輪は、今まで観光地で撮ってきたどんな写真よりも美しく、心にこみあげてくるものがありました。


期待してなかった分、逆に心打たれる写真に…

ここに挙げている写真はいずれも、所謂「白飛び」という状態で、専門的に見るとあまり良い写真ではないらしいのですが、私は今までにどんな写真を撮ったか訊かれたら、必ずこの写真を見せています。なぜかこの写真にはそのような、得も言われぬ魅力を個人的には感じてしまうからです。


「白飛び」だろうと何だろうと好きなものは好き!

これはきっと、写真の良し悪しではなく、郷里の魅力に改めて気づいたきっかけとなったからでしょうか。何となく、そんな気がしています。


私にとっての地域学とは…

現在、大学では「地域学」を学んでいますが、「地域学」とは何かを言語化することは非常に難しい試みです。いくら授業を受けても、何となくぼんやりとしているだけではっきりと形にはなりませんでした。

しかし、難しく考えすぎなくても、身近なところにこそ「地域学」はあるのかもしれないと気付かされました。

郷里を初めて離れた私にとっての第二の故郷となった、鳥取。すでに引っ越してから3年が経過し、新鮮さや刺激が感じられない日々となってきましたが、ファインダー越しに覗いてみると、きっと美しくて大好きな鳥取を見ることができるだろうな、今はそんな風に思っています。


番外編 花火大会の失敗フォト


下4分の1がもはや火災


何かの攻撃?


 © 小笠原 拓 2015