鳥取市民の生活に近づくために(本庄純也)
公開日:2020年6月2日

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こいつと向き合って、鳥取の心を知ろう。

鳥取っぽい記事とは…

今回、鳥取をテーマとした記事を考えるにあたって、私は数日頭を抱えた。鳥取をテーマにするといっても、筆者の出身地は神戸。鳥取に住んで3年目になろうとしているが、さほど鳥取のことを知ってる訳でもない。しかもコロナ禍(この記事は5月の初旬に書いたものです)の今、外出できないのなら何もできないじゃないか。そう思いながら、何かネタはないか、色々と調べていると興味深い記事を見つけた。「鳥取市のコーヒー消費量は全国2位」。コレだ!家でコーヒーを淹れ、少しでも鳥取市民の生活に近づこう。

 

そもそもの話

これは余談なのだが、そもそもなぜ鳥取市のコーヒー消費量は全国2位であるのか。大手コーヒーチェーン「スターバックスコーヒー」や「タリーズコーヒー」の最後の出店県として知られる鳥取県。一見「コーヒー後進県」にみえるが、実はそこには長い歴史があるのだという。その歴史の一つに、鳥取県のお隣、島根県の「茶の文化」によるものとする説があるそうだ。(ちなみに鳥取にスタバが出店した際のことについては、随分前に先輩がこんな記事を書いていた。)

江戸時代の藩主、松平治郷(まつだいらはるさと)を中心としたこの文化が鳥取県にも広まり、それを基とした「茶やコーヒーを楽しむ文化」が脈々と受け継がれて今に至るのであろう。もちろん他にも理由はたくさんあるであろうが、今回は文章の量の関係で省かせてもらう。この記事を読んで気になった方がいらっしゃったら是非近くの喫茶店に立ち寄ってコーヒーを嗜みながら、調べてみてほしい(鳥取県には魅力的な喫茶店がたくさんあるので…)。(参考記事:「なぜ?鳥取で“コーヒー戦争” 豊かな文化、今につながる“味の記憶”」


気を取り直して、豆を挽くところから

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この段階でもコーヒーの香りが部屋に広がる。

部屋に広がるコーヒーの香り

幸い、友人がコーヒー器具一式をそろえていたので、準備に時間はかからなかった(このことを覚えたので、このネタを思いついたという説もあるがそれは内緒)。まずはコーヒー豆を粉状にしていく。その際に使うのが、上の写真の「コーヒーミル」という器具なのだが、これがまた楽しい。ゴリゴリという感触とともに部屋に広がっていくコーヒーの香り。とても良い。この時間から既に、「コーヒーを楽しむ」ことは始まっている。


お湯で落としていく。


そして溜まっていくコーヒー。


待ち時間も重要

次に、粉状にした豆をペーパーフィルターという、ろ紙のようなものにセットしお湯を注いでいく。ポトポトと徐々に溜まっていくコーヒー。この待ち時間もまた乙なものである。コーヒーを淹れるというのはどこを切り取っても趣深い。フィルターにお湯がなくなったらまた継ぎ足し、お湯が落ちきるのを待つ。そしてまたなくなったら…。この単純作業の繰り返しなのだが、どこか説明のできない楽しさがある。


そしてついに実飲。

明らかにうまいコーヒー

ある程度溜まったら、マグカップに移し、あとは飲むだけ。飲むだけなのだが、これだけ手間がかかっているので、飲むのにもどこか慎重になってしまう。一口すすると、口の中に広がるコーヒーの香り。めちゃくちゃうまい。市販のコーヒーよりも明らかにうまい。酸味にしても、苦みにしても、挽きたてだからであろう、より際立ってすごく飲みやすい。たまたま家に置いてあった、チョコレートとともに楽しんだが、よく合う。これで、簡易的な鳥取市民の暮らしの体験は終了である。

 

おわりに

記事の途中から、鳥取の記事というよりかはただコーヒーを楽しむだけの記事となってしまった。鳥取市としても、あんなにうまいコーヒーが飲めるのなら、消費量が多くなるのも頷ける。しかし、これをするのにトータルで40分近くかかった。家での時間に余裕のある今だからこそできる楽しみ方であろう。鳥取市のコーヒー消費量が多いのも、こういう理由からなのかもしれない。忙しい日々を忘れて、コーヒーを楽しむのもたまにはいいものである。

最後に、快くコーヒー器具一式を貸し出してくれた友人に「自分にとってのコーヒーとは」を聞いた。彼曰く、「わたしにとってリラックス出来る場所」とのこと。コーヒーという飲み物をあえて、「場所」と表すところに深い意味が有りそうだなと感じた。

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お菓子とともにリラックスタイムを。


 © 小笠原 拓 2015