手作りマスクに合う素材選手権!(小笠原拓)
公開日:2020年3月19日


マスクなんて意外と簡単にできるもんですよ。

我が家のコロナウイルス問題

例の新型コロナウイルスでマスクが品切れになってから1か月ほどたつ。我が家では、中国人の妻(しばらく中国には渡航していないが)が今回の事態にはえらく過敏になっており、毎日のようにマスク不足を嘆いている。

夫として何ができるのか。「だったら作ってやろうじゃないか」という訳で、いろいろと材料を集めて作ってみることにした。


手づくりマスクの作り方

マスク騒ぎが起こり始めたころから、「まぁ、いざとなったら作ったらいいな」というのは何となく考えていた。というのも、既製品に近いものが手作りででそれらしくできることが、結構嬉しくなってしまうタイプなのだ。以前は、「録画した映画をDVDに焼いてパッケージやラベルプリントをちゃんと作る」という趣味にはまっていたことがある。


こういうふうに作ると何か得した感がある。

という訳で、簡単でかつ既製品らしくマスクを作る方法は、以前から何となくイメージをしていた。そこで今回は、以下の要領で作ってみることにする。

  ①型紙に合わせて素材を切る。

  ②耳を掛ける穴をコンパスカッターで切る。

  ③真ん中をアイロンテープなどで張り合わせる。

  ④裏返して完成。

こんな単純な方法でも、意外と立体っぽくできるし、ティッシュペーパーなどを挟めば、数回は繰り返し使うこともできる。素材によっては、洗って使うこともできそうだ。マスク不足恐れるに足らずである。


こんな感じに素材を切って貼り合わせる。曲線のところはもっとシンプルでもよい。


どの素材が最もマスクに向いているのか?

最初に正解を言ってしまおう。不織布のふきんである。トイレットペーパー不足問題もあって、ちょっと店頭で見かける数が少ないかな~という時もあったが、基本的にはホームセンターや100円ショップで普通に見かける。大きさにもよるが、1ロールで数十枚のマスクは作れると思う。


申し訳ないですが、私の顔のアップの写真が続きます。

特に不織布ふきんの良さは、加工のしやすさと通気性の良さである。通気性の良さについては、マスクとしての機能とトレードオフということにもなるが、そこは問わないことにしたい。あくまでパッと見て、それらしく見えることが大事である。そういう意味では十分に役割を果たしているように思う。

最後にチャームポイントとして、この手のナプキンの定番の柄が砂丘の風紋(分からないかたはググってください)に似ているということを挙げておきたい。(というか、ここ以外、今回の記事に鳥取要素はないです。)総合的な評価を表にすると、以下のようになる。

表(不織布ナプキン)


他の素材でも作ってみた!

正解が出てしまったのではあるが、それでは選手権にはならない。実は、それ以外にもいくつか作ってみたので、その結果も併せて報告したい。まず紹介するのが食器棚シートのマスクである。


見た目はカッコイイが、息がちょっと苦しい。

食器棚シートは布というよりは樹脂のような手触りで、ほとんど通気がない。もちろんマスクと顔の隙間はあるので息ができないということはないが、やっぱりちょっと苦しい。接着にアイロンテープもいらないし、入手もしやすいしやすいが、使えるかどうかという点では、人を選ぶと思う。

見た目は黒く表面のテクスチャもカッコいいので、インスタ映えはするかもしれない。SNSに写真を上げた際にも最も反応が良かった。但し、普段使いをする場合、場所によっては犯罪者っぽさがあって、ちょっと相手がびっくりする可能性があるので、その点も注意が必要である。

表(食器棚シート)

次は、フェルトの手作りマスク。ハッキリ言うと、当初はこれが一番の正解かなと思っていた。というか、ネット情報なんかに、もっと上がってきてもいいのかなと感じたりしていた。なぜそういう情報がないのか、個人的に不思議に思っていた。しかし実際に作ってみると理由が分かった。


ピッタリしたものを作るのが難しい。あと、ちょっとマスクの中が蒸し暑い。

確かに通気はあるし、見た目も悪くないのであるが、どうにも加工が難しいのである。マスクの型紙は、かなりシンプルなものでも、それらしい形になるのだが、フェルトの場合、まっすぐな線ですら、きれいに切れなかったりする。貼り付けも含め、加工にかなり時間と技術が必要ということが分かった。 

あと、ぱっと見はそれらしく見えるが、細部の作りが甘いことで、手作りっぽさが溢れてしまうことも弱点かもしれない。個人的に、手作りっぽさが似合う人とそうでない人がいるような気がするのは(そして多分、筆者は似合わない側)、気のせいだろうか。

表(フェルト)


もう一つの正解は・・・

凝り性なので、こういうことをやっていると、どんどんアイディアが溢れてきて、「あの素材だったらどうなるのか」とか「こうやったらもっと上手くいくのではないか」とか考えてしまう。そうこうしているうちに、もう一つの正解に辿り着いてしまった。それが100円ショップで売っている洗車用クロスである。

写真⑥

丈夫さと加工のしやすさのバランスが良い素材。

不織布ナプキンの場合、ある程度の強度があるとはいえ、繰り返し使えるのはせいぜい2回か3回ぐらいである。形も崩れるし、洗うのもできなくはないがちょっと難しい感じがする。しかし洗車用タオルの場合、そもそも何度も繰り返し水で洗うように作られているので、かなり丈夫である。


これはもうプロ仕様、みたいな雰囲気になってません?

入手しやすさはナプキンには少し劣るが、100円ショップには大抵あるし、ホームセンターにも類似品があるかもしれない。加工もそれほど難しくなく、通気性もあり、顔にもフィットして、マスクとしての機能も高そうな着け心地である(あくまで個人の感想ですが…)。

気になるのは、あまりにもよく出来ていて、妙な医者っぽさがあるところだろうか。私の場合、普段の生活で白衣を着る習慣はないが、理系の先生などで、普段から白衣を着ている人がこのマスクをつけると、かなりの「白い巨塔」っぽさが滲み出てしまうかもしれない(たとえが古くて申し訳ない)。

表(洗車用タオル)


慌てなくてもマスクは作れる!

とりあえず、いろんな素材でマスクがつくれるということを妻には示すことができたので、我が家のコロナウイルス問題はひとまず小康状態にある。ウイルスが世界中で蔓延すると、その影響は我が家にも及ぶので、できるだけこのまま収束に向かうことを祈るばかりである。

とりあえずこの記事でも示したように、マスクは意外と簡単に作れるし、慣れれば、既製品っぽいものやお医者さんぽいものまでできてしまうので、この記事を読んだ皆さんは慌てて買い占めなどせず、いろんな素材でマスク作りを楽しんでほしい。

 逆に、間違っても「不織布ナプキンの買い占め」とか、そういうことはならないように、何卒よろしくお願いします(それはないか…)。


記事とは特に関係ないですが、卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます!

 

 © 小笠原 拓 2015