岩美にはどエライ美術館があるゾ!(小笠原拓)
公開日:2017年1月28日


この世界観に圧倒される!!

遅ればせながら「芸術の秋」に浸りたかった…

ここを訪れたのは、ちょっとした偶然のようなものだった。

この秋はイベントごとが立て込んで、週末がほとんど潰れてしまい、行きたいと思っていた演劇や美術館などにほとんど行くことができなかった。12月に入り、少しスケジュールに余裕が出て来たこともあり、遅ればせながら、「芸術の秋」に浸りたくなったのだ。

そんな訳で時期的に展覧会などのイベントも余りなかったのだが、ネットを色々と物色していると、奇妙な情報に突き当たった。何でも、鳥取市の東隣にある岩美町には、ある個人の芸術家が作った美術館があり、彼の作品が常設されている。しかも、その場所を岩美町観光協会は、何故か「ジオパーク最後の秘境」と呼んでいる。

「個人が作った美術館???」「美術館なのに秘境?????」クエスチョンマークがいくつも駆け巡るような怪しい情報だが、どう考えても当サイト向けの物件という気がしてならない。これは行くしかない。

ということで、12月のある日、その場所を訪れた。


モトフサ現代美術館、美術館だけど秘境という感じが既に何となくわかる。


そもそも入れるのか…

訪れたのは、岩美町の海岸沿い、「山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館」のすぐ向かいにある「モトフサ現代美術館」。地元在住の芸術家、岡野元房氏の作品を展示している美術館である。


手作り感に溢れる外観。いわゆる「現代アート」的な敷居の高さは感じない…

実際に行ってもらったわかるのだが、海岸沿いの道路を走っていると、唐突にこの建物が現れる。あまりに唐突で、こちらが慌ててしまうぐらいだ。実際、心を落ち着けるために、すぐ近くにあった「海と大地の自然館」に車を止めて、10分ほど滞在したぐらいだ。


気を取り直して入り口へ。先程の看板とは逆側にあるので注意!

現代アート的な敷居の高さはないものの、何というか知らない人の家にお邪魔するような緊張感はある。本当に入っていいのだろうか…恐る恐る中へ入っていく(営業中って書いてたし…)

実は、ここから先、しばらくの間、色々と驚くべきことがあったのだが、諸般の事情で詳しく書くことができない。結論から言うと、私は無事に美術館の中に入ることができ、おまけに写真撮影からサイト掲載まで快く許可してもらうことができた。詳しいことが書けないのは本当に残念なのだが、とにかく、「この美術館の主はとんでもなく心の広い人だ」ということだけは、強調しておきたい…


とても一言では言い表せない世界が広がる…

心の広い館主との触れ合いで、作品を見ることなくファンになってしまった私だったが、さらに美術館内の幻想的な雰囲気に完全に虜になってしまう。美術に詳しい訳でもない私が、ゴチャゴチャ言っても伝わるかどうかわからないので、とにかく写真を見て欲しい。


独特の世界観が伝わるだろうか…


こちらはちょっと明るめのタッチ


「旅先の列車で眠っている紫のブタ」(本当にそういうタイトルなんです!タイトルのつけ方も何か凄い…)


彫刻もこの迫力!


打って変わって、この可愛らしいオブジェ(「ネオ鯨プヤプヤ」というそうです。)


これもまた可愛らしいオブジェ。卵にも深い意味があるらしい…


テラコッタで作ったモビールの部屋も…

一言ではとても言い表せない、という私の気持ちが少しは分かって貰えただろうか?

絵、彫刻、テラコッタ、不思議なオブジェなどなど、ジャンルに囚われない様々な作品が所狭しと置かれている。芸術のことはよく分からないが、とにかくこの作家が自由であるということを強く感じる。ジャンルだけでなく、何物にも囚われていないという感じがヒシヒシと伝わってきた。

館内に響き渡る幻想的な音楽の影響もあって、完全にこの芸術家の世界観の中に入り込んでしまったような、そんな気分になってしまった。美術館を出た後、とりあえず心を落ち着けるために、1時間ほど鳥取市内の喫茶店でお茶を飲み、ようやく家路に着くことができた…


結びにかえて…

実は、ここを訪れたのは今から約一ヶ月以上前のことだ。当日には、「ここのことは必ず記事にしなければ!」と強く決意し、写真もしっかりと撮影してきた。だから、本当なら、悪くても正月明けぐらいには、記事にすることができたはずだった。

どうして、こんなに遅れてしまったかというと、もちろん、色々と忙しかったということもあるのだが、それだけが理由ではない。自分が受けた衝撃をどうやって言葉にすれば良いか、その方法が思いつかなかったからだ。

実は、今でもその言葉が見つかっているとは言い難い。でもとりあえず記事にした。記事にしない訳には行かない、そんな場所なのだ…

という訳で、興味をもった方、否、そうでない方も、騙されたと思って、是非、行ってみて欲しい。


夢を見てるような感じだったけど、やっぱり本当に行ってた…


(取材協力)
モトフサ現代美術館
鳥取県岩美郡岩美町牧谷693-1
℡ 0857ー72ー8881
詳しい情報はコチラをクリック。


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