秘密の花園を探して(木村穂乃香)
公開日:2015年7月15日

はじめに

休日はなるべく外に出たくない。そんな出不精の私であるが、「まあ、出かけるか……」としぶしぶ重い腰を上げることもある。

花が、見たい。特に花畑が見たい。


広島にて。ヒマワリ畑をこの向きから見ることはないなあ、という写真。
自分もヒマワリになってライブ会場にいるかのような気分に。

これまで見てきたのはネモフィラ、チューリップ、アジサイ、アサガオ、ヒマワリ、ラベンダーなど。そしてその度に、季節の花の写真のマグネットを土産に持ち帰り、コレクションしてきた。


このマグネットが少しずつ増えていくのもオツなものである。

そのため私は、昨年10月、鳥取に来た当初から「とっとり花回廊」のことが気になっていた。日本最大級のフラワーパークか……ふむ……。

そして今年6月、SNSで流れてきた情報によると今月は「ゆりまつり」をやっているらしい。

ユリの花畑はまだ見たことがない。そもそもユリは室内で鑑賞するものという印象が強く、畑に植わっているイメージがない。これはぜひ見たい。そしてユリのマグネットを持ち帰りたい。



よし行ってみよう

ということで車を走らせること2時間、日本最大級のフラワーパークに到着。

 
とりあえず入口で写真を一枚。奥にうっすらと山影が見える。あれは大山か?(大山でした)

地図も見ないままに、入口からまっすぐ進むとドームに辿り着いた。


どう
やら熱帯植物のエリアらしい。


風鈴みたいな花。かわいい。


「秘密の花園」?

ドーム内でようやく地図をちゃんと確認する。このドームを中心として、東西南北のエリアに分かれているようだ。ユリのエリアもあるが、それとは別に「秘密の花園」なるユリのエリアがあることが判明。これは気になる。

まあ適当に歩いてみよう。そのうち秘密の花園にも着くだろう。


ハーブガーデン。とってもいい香りがする。
 


この時期はアジサイの季節でもありますね。


全然辿り着かない

ひ、広い!

ぷらぷら歩いて様々な草花を楽しんだものの、秘密の花園どころかユリのエリアさえまだ見つからない。日本最大級の名は伊達ではない。適当に歩いてはだめだ。

いったんドームに戻って態勢を立て直すことにする。


ついでにちょっと休憩。梨ソフトで身体を冷やす。

しっかり地図を確認して再出発。


ようやくユリ発見!

地図に従って歩くとあっさりユリのエリアに着いた。やはり地図はちゃんと見るべきなのだ。


密集。

だが、まだだ。まだ秘密の花園を見ていない。

ひとしきりユリのエリアを楽しんでから、さらに進んでいくと、左右の分かれ道があった。どちらが秘密の花園への道なのか分からない。そこで調べればいいものを、「まあ2分の1だし」と適当に左へ曲がるとマリーゴールドの花畑。見事に2択を外す。


童話みたいな光景ですね。

気を取り直して道を戻り右へ曲がるとようやくお目当ての花園が!


大山をバックに。


カラスアゲハが食事中。

ユリの花畑、いいなあ。

お上品につんと澄ました室内鑑賞用のユリと違って、素朴に、静かに咲いている。


外出を終えて

その後、お土産コーナーに立ち寄ってからとっとり花回廊を出た。残念ながら季節の花のマグネットは扱っておらず、コレクションは増えなかった。

少し買い物を楽しんでから帰路に就く。


買い物その一、彩雲堂の「満天」。食べるのがもったいない美しさ。

 
買い物その二、ガチャガチャ。謎のスケートボーダーたち。

計4時間の運転をした上に日中歩き回ったことでへとへと。でもそれは心地よい疲れで、一日中家にこもっているときのよくわからない疲労感とは違う。

そう、出かけるとそれはそれで楽しいというか、毎回「外に出ると気持ちいいなあ、定期的に出かけるようにしないとなあ」とは思うのだった。

鳥取来てから約10ヶ月。私にとって鳥取は、まだまだよく知らない世界だ。重い腰を何とかあげて、この地を味わっていきたい。


(協力)とっとり花回廊 https://www.tottorihanakairou.or.jp/


 © 小笠原 拓 2015