天体観測〜曇天と晴天の狭間〜(帰省者X)

愉悦:前日よりも「濃い」プラネタリウム

チェックアウト後は前日の天体観測の復習を兼ねて、もう一度プラネタリウムを見ることに。


朝一の上映だったからか、プラネタリウムは私たちの貸し切りだった。

前日実際に星を捉えていたからか、前日よりも内容がどんどん頭に入ってくる。「分かる分かる~ぅ♪」の実感が増えるとともに、前日は分からなかったことも分かってくる。

心からの喜び、深い満足感、楽しさ…。明らかに前日よりも内容が「濃く」感じる。例えば、前日の観測で木星の模様である2本の線は見えたが、目玉模様である大赤斑が見えなかったのは、木星が自転しているからであった(木星の自転の状況は天体アプリで知ることができるらしい)…などなど、すばらしき知の流入であった。


103㎝反射望遠鏡。圧倒的な大きさである。

プラネタリウム後は103㎝反射望遠鏡で水星を見せてもらった。曇天で見えたのはわずかな間であったが、ちょうど半月のように見えた。これだけ大きな反射望遠鏡だと、曇天の昼でも惑星を見ることができる。御見事…御美事…!水星は観測の機会がなかなか貴重なものらしく、非常に幸運であった。


アフタートーク(1):そもそも天体望遠鏡とは…

その後、他のお客さんがいなかったこともあり、職員さんに天体や天体望遠鏡に関するお話を聞かせてもらった。このお話が非常に興味深く、これまでに知らなかった世界を教えてくれた。

「そもそも天体望遠鏡は光を集める装置であり、星を大きく見るための物ではない」という見解には、前日の天体観測を思い出すと納得できるものがあった。ベテルギウスもシリウスも、ピントを合わせてしまえばそんなに大きくは見えない。ただ、レンズを介することによって、星の光がダイレクトに水晶体から網膜へ、網膜から視神経へ、視神経から視覚野へ…届けられる感覚があった。

さらに、天体望遠鏡には様々な方式があったり、口径や焦点距離によって見え方が変わったり、天体望遠鏡それぞれには向き不向きがあったりと、個性豊かなことも知れた。

星雲や銀河のことも教えてくださった。前日の観測で多くの星雲や銀河が見られなかったのは、たとえ明るい等級でも、全体に明るさが分散してしまうかららしい。さらに大気の動きも見え方に関係するようで、天体望遠鏡でヒーターの周辺を見せてもらうと、驚くほどに空気が揺れていた。


アフタートーク(2):興味深い分光器の話

様々な興味深い話が聞けたが、私が特に面白いと感じたのは、分光器の話である。分光器とは光の色を分けるもので、これにより、光を構成する色が分かることになる。分光器の話の例を挙げると、分光器を介して星の光を分析し、星の温度を調べるといったようなことは非常に興味深かった。

さらに、近づく星は青色が強くなり、遠ざかる星は赤色が強くなることから、宇宙が膨張しつづけていることが分かったことも分光器によるものらしい。それどころか、分光器でどの元素が光り輝いているのかも分かるという(元素が紫外線を受けると、その元素は周期表で言うところの隣の元素に変化するらしい。その際、エネルギーを持つのだが、変化した元素が元の元素に戻る際にエネルギーを放出して光る。この光の色で元素を特定するらしい)。これにより、星を構成する元素を特定できるというわけだ。

自分が興味のあることのなかで、今まで知らなかったことを知ると、実に心地よい気分になる。久しぶりに知ることの楽しみを得られたと同時に、さらなる興味関心の扉が開かれたように思う。


エピローグ:天体望遠鏡は星の如く高みにある

それにしても…さじアストロパークの方々は本当に優しく親身になってくださる方ばかりだった。生粋の星好きであり、星に対する情熱を感じる方々であった。また来たい場所だ。今度は快晴の日に、別のコテージに泊まってみたいものだ。コテージによって天体望遠鏡が違うので、見え方や操作感の違いなど、気になることは多くある。

さじアストロパークに天体望遠鏡のカタログがあった。持ち帰り自由とのことだったので、持ち帰ってきた。これだけ面白いもの、面白い知識に触れると、天体望遠鏡が欲しくなる。

ということで…持ち帰ってみたものの…。どれもこれも良いお値段で…。一番安いものでも5万近く。あとは私の月収の半分くらいのものから、10か月分のものまで…。星が天にあるのと同じく、天体望遠鏡もまた…天にあるのだ。うーん…、これは…、また、さじアストロパークに行くしかないなぁ(ワクワク)。

おしまい。おしまい。


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 © 小笠原 拓 2015