AIに聞く、鳥取の未来はどうなるのか?(小笠原拓)
公開日:2019年2月28日


鳥取の未来について教えてくれますか?

はじめに

AI(人工知能)についての議論が花盛りである。機械が知能をもつなんて、「鉄腕アトム」や「ドラえもん」のような漫画の世界のことかと思っていたが、意外にも近い将来に実現してしまうというか、もう一部は実現してしまっているような感じである。

筆者は教員養成に携わる仕事をしているので「AI時代を生き残るための教育」とか「AIに仕事を奪われないような子どもを育てるには」といった、ちょっと危機感を煽るような話もかなり身近にある。最近では「東大に合格するAIをつくる」なんてプロジェクトもあった。

とはいえ、そんなに進化しているなら、色々聞いてみたいこともある。そう、鳥取の未来についてだ…


Siriは物知り?

最近は、様々な家電や機械にAIが搭載されているが、その中でも代表的なものはスマホやタブレット端末に搭載されているものだろう。私も目覚ましをかけるために「6時に起こして」とか、毎日のようにタブレットに話しかけている。


遅刻が許されない時にも頼りになるSiri

検索や地図アプリなんかでも、わざわざ指で入力しなくていいので楽だ。こうやってどんどん人間は退化していくのかもしれない。

そして、大抵の知識については、その場で即答してくれる。名前が「Siri」というだけあって、大変な物知りである(ここでダジャレ???)。これだけ物知りなんだから、もっと難しい問題、例えば鳥取の未来についても答えてくれるかもしれない。


鳥取の未来について聞いてみるが…

我ながらいい思いつきだと思って早速聞いてみることにした。ちゃんと答えてくれたら、地方都市の人口減少とかさっさと解決してくれるかもしれないぞとワクワクしながら聞いてみた結果…


「未来」地名がつく場所を教えてくれた。

スマン。これは確かに私の聞き方が悪かった。AIが進歩したとはいえ、こういう質問の仕方では、ちょっと答えるのが難しいかもしれない。人間同士の会話でも質問の仕方は大事である。という訳で、聞き方を変えて聞いてみるものの…


一応まともなページを教えてくれたが、別に未来予測ではない。

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聞き方を変えると、なぜか予備校を進められた。未来は予備校にあるのか?

なかなかちゃんとした答えが出てこない。せいぜい、過去に鳥取について書かれた記事や県等が作成した文書を紹介してくれるぐらいである。もう少しピンポイントに聞いた方がいいかなと思って聞き方を変えてみたが…


10日間の天気しか教えてくれなかった…残念!


鳥取大学についても聞いてみる

確かに「鳥取の将来」というのは、漠然とし過ぎているのかもしれない。それなら、鳥取大学の将来についてはどうだろう。勤務先でもあるし、将来があるかどうか確かめておきたい。聞いてみると…


リンク先をチェックすると学長の対談記事だった…


聞き方を変えると単に鳥取大学の場所を表示し出した。

これも色々と質問を変えてみたが、あまり有益な情報は得られなかった。大学のホームページに誘導されることが多かったけど、わざわざSiriに聞かないでも知ってる話である。まぁ、将来も鳥取大学は今の場所にあるということであれば、ちょっと安心ではあるが…


そもそもAIは鳥取をどう思っているのか?

どうも期待に反して良い答えが返ってこない。最初から答えを性急に求め過ぎているのが、いけないのかもしれない。もう少しAIと鳥取の関係を知ることから始めた方が効果的ではないか。そもそも鳥取について、AIはどんな風に考えているのか。聞いてみると…


はぐらかされた!

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さらに突っ込んで質問するも、答えてくれない。

なかなかAIは本心を話してくれない。ただ、これまでで一番ちゃんと考えてくれているような感じもする。ついでなので鳥取大学についても同じように聞いてみると…


質問そのものにクレームを付けてきた挙句…


完全に回答を拒否!

さっきも書いたように、確かに答えてくれないのだが、むしろ「対話をしている」という意味では、これまでで最も「対話をしている」実感があった。AIと人間の距離が近づいた瞬間かもしれない。

とはいえ、鳥取についても鳥取大学についても、結局AIは何一つ未来について教えてはくれなかった。将棋や囲碁なら世界チャンピオンになれる頭脳をもってして、鳥取の未来は分からないということなのかもしれない。


おわりに

世間ではAIが未来を何もかも変えてしまいそうな感じで話が進んでいるようだが、とりあえず、まだAIにも鳥取の未来は分からないらしい。それは鳥取の未来だから分からないのか、そもそも未来が分からないのかは、よく分からないけど。

ただ、AIは未来については話してくれなかったけれど、人間のように話をしてくれるような感じはあった。ひょっとすると、AIが未来について知っているよりも、こちらの方が大事なことのような気もする。

いや、もしかするとAIは本当は鳥取の物凄い(良い未来か悪い未来かは分からないけど)未来について実は知っていて、でも言うと色々と支障があるので、知らないふりをしているだけかもしれない。

ひょっとすると、AIが賢くなれば賢くなるほど、人間に忖度して未来についてはっきりとしたことは言わなくなったりしないんだろうか。そんなことも、ちょっと考えたりした。



ちなみに、こんな答えもあった。やっぱり何か知ってるのか??


 © 小笠原 拓 2015