はじめに
今年のゴールデンウィークに生まれて初めて鎌倉に行ってきた。鎌倉については、鎌倉幕府と鎌倉の大仏ぐらいしか知らなかったぐらいで、特に接点もなかったのだが、昨年の2月に起こった数奇な出会いによって、俄然、興味をもつようになったのである。
という訳で、この記事では、なぜ私が鎌倉に行くことになったのか、そこで誰と会ってきたのかなどについてお話ししようと思う。
Facebookでの出会い
それは、今年の2月のある日、Facebookを見たことから始まった。実は筆者のSNSはXが中心で、Facebookはあまり見ない。トットリヒトハコのために作ったInstagramは見るようにしているが、Facebookは作ったもののまともに運用していなかった。
ただ、通知は何となくくるので、通知がたまった時点で、時々、見るようにはしていた。そこでめずらしくアカウントにメッセージが来ていることを発見した。
SNSのメッセージといっても、詐欺的なものも多いので、大抵は無視しているのだが、そのメッセージには私の論文を読んだなど、私のことを確実に知っていることが分かることがわかる記述だった。
そこで何となく気になって、そのFacebookの主にメッセージを返してみることにした。

伊藤淳子さんのFacebookより
伊藤淳子氏とは何者か?
メッセージの送り主は伊藤淳子さんといって、女性の方であった。とにかく、どういう事情で私のことを知り、かつ連絡をくれたのかよく分からなかったので、メールで経緯などをお尋ねすると、A4で4ページにもわたる長大な自己紹介文が添付されたメールが返ってきた。
私も何となくFacebookに掲載されている情報などを辿って、どんな人かを調べてみると、鎌倉で「鎌倉わくわくサロン」や「みちくさ本棚」という活動をしていたり、かつては『農業女子』という本を出版されていたり、とにかくいろんな活動をしている方だということが分かった。
4ページの自己紹介文には、さらにかつては、いわゆる女性誌(『CanCam』 や『ViVi』)の創刊に関わっていたり、『コブラ』で有名な寺沢武一先生のマネジメントのような仕事もされていたという。ひょっとして結構な大物ではないのか。そんな人がなぜ、私などに興味をもったのか???
よく分からないことだらけであったが、怪しい人ではないようなので(伊藤さん、ゴメンナサイ🙇)、メールでのやり取りをするようになった

鎌倉みちくさ本棚のInstagramより
鎌倉に行こう!
今年のゴールデンウィークは実家に帰ることにしていた。ただ4月30日と5月1日は授業がなかったので(学生のためを考えて?一部は休講にしました)、4月29日から5月6日まで長期の連休になってしまった(自分でそうしたんだけど)。
これだけの連休で、実家に帰るだけというのは、ちょっと面白くないので、前半はどこか知らない場所に行ってみたいなと思っていた時に鎌倉が頭に浮かんだ。
伊藤さんとは、2月にネット上で知り合ってから何度もメールのやり取りをしていた。具体的にはお勧めの本を紹介し合うことが中心だったが(私のトットリヒトハコの活動も知っているようだった)、色々と伊藤さんが鎌倉で現在で行っている興味深い活動などについて紹介してもらったりもしていた。
そこでふと、「鎌倉に行ってみるのもいいのではないか?」と思い立ち、4月の20日を過ぎてから飛行機や宿を探してみると、意外にもどちらも予約が取れてしまった。これは行くしかないのでは???
本屋さんの前で伊藤さんと初対面

待ち合わせ場所の本屋(ポルベニールブックストアHPより)
ゴールデンウィーク直前に予定を組んだので、伊藤さんに「ご都合が合えば少しお会いしませんか?」と恐る恐る連絡してみると、「是非来てください!」とのこと。もうこれは行くしかない。
という訳で、鎌倉から二駅離れた大船という駅の近くにある本屋さんで待ち合わせすることに。いったいどんな人なのだろうか。不安半分・楽しみ半分といった気持ちで、待ち合わせ場所に向かった。

伊藤淳子さん
会ってみると、とてもアクティブな感じの女性であった。学生が「実は怖いお兄さんがやってきたらどうすするんですか?」みたいなことを言っていたので、ちょっと心配していたが、とりあえず、そういうことはなかったので安心した。
本屋さんの中で、とりあえずこれまでの経緯や伊藤さんのプロフィールなどについて聞かせてもらった。(ちょっと調子に乗って二人とも話し過ぎてしまって、本屋さんに注意されてしまった。店主さんゴメンナサイ。)とりあえず、お目当ての本屋を見て、本も何冊か買うことができたので、改めて鎌倉に向かうことになった。
不思議な空間、鎌倉わくわくサロンに行く
鎌倉に到着してからは、鎌倉の有名なお菓子屋さんである「豊島屋」(鳩サブレの店)や「鎌倉紅谷」(クルミッ子というお菓子が大人気らしい)に連れて行ってもらったり、鶴岡八幡宮を見たりした後、伊藤さんの活動拠点の一つである「鎌倉わくわくサロン」に行くことになった。
正確に言うと「鎌倉わくわくサロン」というのは、伊藤さん自身が鎌倉で行っている様々な活動の総称で、そういった活動を主に行っている建物に連れて行ってもらったということだったようだが、鎌倉の喧騒からは想像がつかない(車で10分ほどしか離れてないのだが)、静かな田舎にその建物はあった。
丁度いった日は、「みちくさ本棚」という催し?が開催されていて、庭先に本が並べられていた。

みちくさ本棚の案内板

みちくさ本棚の様子

こちらの本は無料らしい
わくわくサロンは、開いていると色んな人がやってくるらしい。この日は、悩み相談を仕事にしてやってみようとされている女性や、鎌倉の隠れた名物スポットにメチャメチャ詳しい人などと出会った。外で行われていた、みちくさ本棚にもアマチュア写真家のような人がやってきて、色々と話しをしていったらしい。何だか人を引き付けるスポットのようである。
合宿所プランを考える
伊藤さんはこのわくわくサロンが行われている小さな建物(自宅は別)以外に、アパートを2室所有しているという。もともと、この2室を元気な学生さんに安価で使ってもらって、何か面白いことができないかなというアイディアがあり、私のゼミ活動の様子を見て声をかけてくれたようだ。我がサイトも意外なところで読まれているようである。

みちくさサロンより更に静かな場所にある普通のアパートだった。
アパートは普段は誰も使っていないらしく、家具なども最低限のものしか置かれていなかった。不動産屋の内見に行ったような気持ちになったが、ネットもつながらない(スマホのアンテナは1本または0本という状態)場所で、何か面白いことができそうな気にさせる場所ではあった。
そこでは、伊藤さんの色々な「野望」を聞かせてもらった。鎌倉の大学生と鳥取の大学生が交流して、本や文学に関するイベントができないか、とか、一箱古本市や読書会をここで夜にやって、色んな人に来てもらったらどうかとか、当ウェブサイトの学生が記事を量産するための合宿をやってみてはどうかとか、いろいろなアイディアが出てきた。
伊藤さんは若いころからフリーの編集者としていろいろな仕事に携わっており、仕事で全国を飛び回っていたが、なぜか鳥取だけは縁がなく、まだ行くことができていないそうだ。そういう意味で、鳥取とつながりをもちたいと常々考えており、それが私に声をかけるきっかけにもなったそうである。伊藤さんのアイディア力に驚いたり、なるほどなと思ったり、感心したりしながら話を聞いていた。
2日目は定番鎌倉観光へ
結局2日目も、伊藤さんが鎌倉を案内してくれることになった。2日連続で個人的な旅行に付き合ってもらうということで、こちらとしては、そこまでしてもらっていいのだろうかという思いもあったが、先方は最初からそのつもりだったようなので、お言葉に甘えさせてもらうことにした。
前日に出会った鎌倉の観光スポットにメチャクチャ詳しい男性とも伊藤さんは相談していたが、結論としては、鎌倉ビギナーの筆者には、まずは定番スポットを案内したほうが良いということになったようだ。ここまで来たら、完全に案内役にお任せして、鎌倉を楽しむことにした。

湘南のミニシアター・シネコヤ
まず最初に湘南の知る人ぞ知るミニシアターである「シネコヤ」を訪れた。伊藤さんも来たことがないそうで、一度来てみたかった場所ということだった。つい最近、鳥取市にも「シネマドア」という小さな映画館ができて、筆者も数回利用させてもらっているが、それよりは少しだけ規模が大きく、パン屋スペースがあり、数多くの本(販売用ではなく、その場で読んでもらうためのもの)が置かれているなど、個性的な映画館であった。

スクリーンの入り口部分。オシャレな内装である。
(うすうす気づいていたが)伊藤さんのコミュ力は旺盛で、この日、私たちは映画を見る予定はなかったにもかかわらず、支配人の人とも話をさせてもらった。地元では新聞などにも紹介されている方のようで、新しい試みを行っている人物として、注目されていることがわかった。伊藤さんに「鳥取大学の先生なんですよ」と紹介されて、かなり恐縮してしまった。(筆者のコミュ力は…ご想像にお任せします。)
ここからは、江ノ島、御霊神社(猫の御朱印で有名)、長谷寺、鎌倉の大仏と、定番スポットを順番に回ることになった。最初に書いたように、筆者は、鎌倉には一度も来たことがなかったので、「これぞ鎌倉!」という場所を存分に見ることができ、大変ありがたかった。

サザンの曲なんかでよく登場する江の島。

御霊神社でもらった御朱印。猫が可愛い。

長谷寺でみた蓮の花。

同じく長谷寺で見た「千体地蔵」。壮観である。

こちらは定番の鎌倉の大仏。やはり大きい。
鎌倉というのは、かなりコンパクトにまとまった観光地で、これだけの定番スポットを回っても、それほど疲れたという感じはなかった。ただ、伊藤さん曰く、この2日間は普段の鎌倉では考えられないほど人が少なかった(平日とはいえゴールデンウィークに挟まれた2日間である)ので、スムースに回れたということもあると思う。「先生、何か持ってますよ」と伊藤さんには再三言われたが、普段の鎌倉を知らない鳥取県民にとっては、「十分観光客は多いけどな~」と思ったりもした。
最後は、伊藤さんお勧めのお店で、夕食をご一緒した。おいしい料理をたべながら、またしても色々なアイディアを聞かせてもらうことになり、改めて色んなことを考えさせられた。「3年生や地域調査プロジェクトで鎌倉に来るのもいいな(学生からすればちょっと遠いけど)」などと思い始めている自分がいた。
おわりに
正直、この鎌倉旅行を企画した段階で、伊藤さんとは、どこかで1時間ほどお会い出来たらラッキーぐらいに思っていた。まさか、2日間もお付き合い頂いて、様々な場所を案内してもらえるとは思わなかったので、想定をはるかに超えたラッキーだったとも言えるだろう。
その後も、伊藤さんとはメールのやり取りが続いている。伊藤さんには鎌倉を拠点とした文学に関わるプロジェクトのアイディアがあるらしく、相談を受けたりしている。筆者が何をお手伝いできるのかは、現時点ではよく分かっていないが、とにかく色々なアイディアを持っておられるようなので、何か協力出来たら面白いなと思っている。
