トットリヒトハコに出店した話(木村穂乃香)
公開日:2026年1月19日


1日だけの本屋さん!

 2025年10月19日の日曜日にトットリヒトハコが開催された。

トットリヒトハコとは、その名の通り「一箱」に収まる量の本さえあれば誰でも気軽に本屋さんになれる古本市イベントで、私も店主として出店させていただいた。

といってもこの日は仕事があったため、物品と店番のすべてを学生に任せた悪徳店主である。

 

エッセイ集「あおいあさがお」について

店番を任せた学生は、私が「地域調査プロジェクト」という授業で受け持っている4名の学生で、授業の一環で学生が書いたエッセイ集『あおいあさがお』の無料配布を兼ねて店に立ってもらった。

おかげさまで、50部ほど刷ったエッセイ集は午前中のうちに配布終了となったらしい。

エッセイの中身はこのサイトでも読めるので、エッセイ集を手に入れられなかった!という人はぜひ読んでください。


夏休み特別企画【エッセイ・私と地域①~④】

メディア館(まーき)

好きの原点(ivy)

たいようの家(ぽぴー)

近くの他人(まる坊や)


店の様子。レジャーシートに本が並べてあります。

エッセイ集の最後には感想フォームにつながるQRコードが載せてあり、何人かの方から感想をいただいている。4つのエッセイそれぞれに対して詳しい感想をくださった方もいた。

その方はもちろん、感想を送ってくださったすべての方に、厚く御礼申し上げます。

これはきっと何かを創作して発信したことのある人にしかわからない感覚だが、自分が書いたものに対して、たとえ一言であっても反応がもらえるのはとても嬉しいものであるし、恵まれた体験をさせてもらっていると思う。

 

出品の方も盛況!

トットリヒトハコは無事に終わり、後日、売れた品物を確認。書籍が8冊、CDが4枚、DVDが1本売れていた。だいたい全体の半分くらいがなくなったようだ。

どれも「私の中での役割を全うした」と思って出品したものだが、いざ手元から離れてしまうと一抹の寂しさを覚える。

せっかくなので、売れたものの中から2つほど取り上げて紹介させてもらおうと思う。


①安壇美緒『金木犀とメテオラ』(集英社 2022)

気を抜くと作家買いをしがちなので、時々書店でぱっと目についた本を買うようにしている。この本もその一冊。

北海道の女子校に通う女の子たちの物語で、思春期に特有の自己評価と他者評価のズレがもどかしくもあり眩しくもあった。

普段は「なんじゃこりゃ」という読後感の本を好んで読んでいるので、手堅さのある現代小説を久々に読んで楽しかった覚えがある。

タイトルが綺麗ですよね。

 

②松本隆 作詞活動45周年記念トリビュート「風街であひませう」

学生・院生で合わせて6年間働いたバイト先の書店は、BGMのセンスがやたらとよかった。本部のお偉いさんが自らセレクトして1日分のプレイリストを作っていたらしい。3~4か月に一度新しいものと入れ替わっていたので、なかなかまめな人だったのだろう。

「お、これはいい曲だな」と思うものがあると歌詞を覚えてバイト後に調べていたものだった。

このアルバムもそのうちの一つで、世代ドンピシャではない私でも知っている曲が多く、「松本隆ってすごいんだな……」としみじみ感じた。

 

おわりに

 私の本を買っていった人はどんな人だろうか。楽しんでいるだろうか。売れていった本に思いをはせると、そんな考えが頭をよぎっていく。

仕事のためやむを得ず店番を学生に任せたが、やっぱり直接お客さんとのやり取りをしてみたかったところである。来年度こそは!(といいつつ、来年も仕事の可能性があるのですが……)

皆さんも是非、店主あるいはお客としてトットリヒトハコに参加してください。


 © 小笠原 拓 2015