鳥大夏の風物詩「フリーソーメン」の秘密(オクダケンタ)
公開日:2018年7月29日


充実の表情!!

はじめに

こんにちは。初めまして、夏の秘密結社FreeSOMENSの奥田です。あっ僕は地域学部の学生です。あれっフリーメイソン?秘密結社?って思ったそこのあなた、よく見てください。フリーソーメンですよ!とは言うものの、じゃぁ「フリーソーメン」って何?確かに、聞きなれない言葉かもしれません。

簡単に説明しよう(と、いきなりそれっぽく文体を変えてみたりして…)。フリーソーメンとは、通りすがりの見知らぬ人たちに、麺つゆの入った紙コップを差し出し、無料でそうめんをふるまうものである。そして私たちの活動は、年に一回、鳥取大学のアゴラ(大学構内にある広場)を流しそうめんで支配することである。

この「フリーソーメン」が、7月某日、鳥取大学構内で、今年も盛大に行われた。この記事では、鳥取大学の夏の風物詩になりつつある、流しそうめんイベントの裏側を紹介したい。

 

実は準備は1ヶ月以上前から…

私たちは5月下旬から、ゲリラそうめんのため周りにばれないようひっそりと始動していた。まず、そうめんを流す仲間を集めた。

集める際に一番大切にしたのは、参加者に求めるのは私たちの想いに共感すること。毎回ミーティングなどに参加することではなく、とにかく流しそうめんを楽しむこと。なぜなら、スタッフが楽しめなければ、参加者が楽しめる流しそうめんにはならないからである。

やはり、心の底から流しそうめんを楽しむ。これが、私たちの原動力となる。

その後週二回のペースでミーティングを重ねていく。最初は、メンバーでそうめんの想像を膨らませていく。そうめんのほかに、カレーつゆを配る、ライブ、二階から流すなど各々したいことを案として出していった。この時間がゲリラ流しそうめんを始めるうえで大切なのである。そして、その中からできるもの選ぶ。


大学事務との交渉が最高難度のミッション

そして、することが決まれば大学事務との交渉が始まる。事務と交渉をして許可をもらうのは最高難度のミッションといえる。これが、私たちが流しそうめんをする一つ目の目的である。

大学の施設は全学生・全職員の共有財産である。大学施設を使用する主体がサークル・部活である必要性は必ずしもなく、大学施設は誰でも、どんな学生団体でも使えるということを主張する。これこそが私たちがゲリラ流しそうめんを始めたきっかけである。


そうめんを流すための竹から自分たちで準備する!


黙々と作業中!

許可をもらうと次は竹取りと加工である。今回は予定していた日が豪雨となり、イベントの中止が頭をよぎる中、急遽大学に許可を取り、大学の竹取りを実行した。それを、湖山南2丁目の集会所へ運び加工した。 


本番前日にメンバーが竹を大学へ運搬。


本番当日、準備は佳境へ…

迎えた本番当日。メンバーは朝から竹の組み立て、会場の設営を行う。そして、地域学部の調理室でそうめん20㌔を茹でる。そうめんは色々な方々から寄付していただいた。


大量のそうめんを茹でる

過去の流しそうめんでは、事前に茹でておいたそうめんが開始20分を持たずになくなってしまった。そこで、これまでの反省を踏まえ事前にそうめんをすべて茹でる。10人体制で茹で。二人が麺を玉にしてクーラーボックスに詰めていく。

茹で終わるとそうめん、つゆをアゴラに運び、12時開始となった。ここまでが、流しそうめんの裏側である。


準備完了!ようやくここまでたどり着いた…

 

そして願いは叶った…

さあいよいよ本番だ!今年は例年と異なり、小雨が降る中行われた。20㌔茹でたこともあり、そうめんがなくなることはなかった。


大盛況!!

そうめんだけではなく、ヨーヨー釣り、足湯ならぬ足水、スイカも用意した。その空間は、さながら夏祭りのようだった。

最初に、このイベントの目的を「流しそうめんで大学を支配する」なんて書いたけど、正確にいえば、こんな非日常的な空間を創るということが、本当の目的なんだと思う。


これぞ大学とは思えない、非日常な空間!!

「年に一回でいいから、大学の中にわくわくした雰囲気、空間をつくり、大学を支配したい」という私たちの願いは叶った。そして約200人が参加してくれたことが本当にうれしかった。食べにきてくれた皆さん、本当にありがとう!

 

おわりに

食べに来た人は流しそうめん本番しか知らない。そして本番までには様々なドラマがあったことを知らない。皆さんに私たちがどんな目的を持ち、どんな準備をどんな人がしてきたか知ってもらいたかった。

私が流しそうめんに携わって三年。これまで、告知はしても流しそうめんのすべてを知ってもらうことはなかった。今回小笠原先生にこのような機会を頂いて、これまで語ることのできなかった流しそうめんのすべてを皆さんに届けることができた。この記事を読んだ人の中から来年流しそうめんに関わる人が出てきてくれたら私は嬉しい。

最後になりましたが、今回のイベントを通じてご協力頂いた皆様、カンパしてくださった先生方に、心より感謝の意を表します。本当にありがとうございました。


ありがとうございました!!


 © 小笠原 拓 2015