鳥取を知る上でこんな素晴らしい冊子ってあるのだろうか?
運命の出会い??
約1年半ほど前になるだろうか、あるカフェに『とっとりおでかけマップ』なる冊子が何気なく置かれていた。「こういった地元紹介型の冊子って、なかなか良いものが少ないんだよな」なんて思いながらページをめくって驚愕した。
鳥取市街地にある、「これは!」というお店が、写真と手書きの魅力的なイラストで紹介されている。一目見て「その店に行きたい」と思わせる、そんなお店がいくつも並んでおり、本当に驚いてしまった。
学生が見たら確実に飛びつくイラストの可愛さ!
しかも何とこの冊子、普通の高校に勤める、図書館司書の先生と養護教諭の先生が、卒業する学生へのプレゼントとして作っているという。えっ、プロがつくったんじゃないの?これは是非とも作った人に会って話を聞かなければ、と直感的に思ってしまった…
何と高校生への卒業記念のプレゼントとして作られている!
これを見たら行きたくなるでしょう!
とはいえ、私だけが興奮してもどうかと思うので、とりあえず『とっとりおでかけマップ』の素晴らしさを、まずは確認していこう。
実際、掲載されているお店のチョイスも素晴らしいのだ。例えば…
ここの喫茶店の定食は、心が弱っている時に食べるとちょっと泣きそうになるぐらい美味しい。
ここのレコード店は入りにくい場所にあるけど、本当にいい店。何時間でもいられる。
以前、職場の送別会で利用したお店。ビックリするほど手の込んだ料理が出てくる!
まだまだ鳥取初心者を自認する筆者からみても、すばらしいチョイスであることが分かる。しかも、その店主たちを描いたイラストがまた、たまらなくいい味を出している。これを見たら、絶対行きたくなるでしょ!
やっぱり万難を廃して取材に行くしかないよな…と改めて方法を考えてみることにした。
どうやってアポを取るか?
色々と考えてふと思いついたのは、実はこの春から私の知っている学生が、二人もこの先生たちが勤務している鳥取城北高校に勤めているという事実である。
早速、その内の一人である院生に頼んで、先生方の連絡先を聞いて来てもらうことにした。彼女が貰ってきた名刺を見て、これはきっといい人だと確信した。
モットー「もっとおもしろく!」
そしてようやく去年の9月下旬、念願叶ってインタビューの機会を得ることができた。早速、この冊子でも紹介されている「らっぱ堂」のたいやきをお土産に、喜び勇んで会いに行くことにした。
念願叶って…
やっとのことで会うことのできたお二人は、思った通り気さくでとても良い方たちだった。
こちらがこの冊子の生みの親「ハル&めば」こと加藤先生(右)と寺垣(旧姓美田)先生(左)
まずメガネの女性がこの企画の立案者で城北高校の学校図書館司書を勤める加藤晴美先生。実はこの仕事につくまで大学を卒業した後、鳥取で様々な仕事に就き、ひょんなことから城北高校に勤めるようになったそうだ。
その一代記自体が記事になりそうな感じがしたが、それはまたの機会にじっくり聞いてみよう。大事なことは、その結果、鳥取の市街地にある、いろんな店の人たちと友達になってしまっていたということである。
冊子の中で描かれている加藤先生と実物。
したがって最初にこの冊子を作った際には、ほぼ紹介した店全てが知り合いの店だったとか。なんというコネクションの広さよ!先生は「鳥取は狭いので、誰かと仲良くなるとあっというまに色々な人に繋がるんです」と言っていたが、そんなに繋がれる人はなかなかいないと思う。
次にイラスト担当の寺垣先生。学生に聞いた時には産休中というお話だったので、お会いできるとは思ってなかったのだが、幸い会うことができて更に感動してしまった。
こちらが寺垣先生。イラストはご自身の手によるものなので自画像。
私はてっきり、何かイラストに関する勉強をしていたのかと思いきや、何と全くの独学。え〜、独学でこんな絵が描けるんですか??本職の人が作ったのではないというだけでも驚きなのに、独学と聞いて更にビックリしてしまった。
寺垣先生曰く、正直、この企画をするまで、そこまで鳥取の街にある様々なお店の魅力について深く考えたことはなかったけれど、色々なお店を回ってみて、その魅力を再確認したそうだ。
学生たちに伝えたいこととは…
しかし、そもそもどうしてこのような冊子を作ろうと思い立ったのだろうか。というのも、この冊子、別に仕事として作ったものではなく、全くのボランティア。それどころか、印刷費すらも全て自腹で作って、プレゼントしていたというのだ。そんな馬鹿な!!
お二人の先生曰く、「せっかく鳥取に住んでいるのだから、この街に、こういう素敵な人たちがたくさんいて、真面目にお店を続けておられるということを知って欲しい」というのが一番の思いだったという。
自腹で作っているのも、どこからかお金が出てしまうと、「自分たちが本当に紹介したい人だけを掲載する」ということが出来なくなってしまうのでは、と思ったからだそうだ。
インタビュー中の加藤先生は、「まっとうな人たち」という言葉を繰り返し使っておられた。確かに、紹介されている店(全て行った訳ではないけど)の店主さんたちの顔を思い浮かべると、確かに「まっとうな」という言葉がぴったりくる気がする。
そして二人の想いは、そのままこのメッセージに込められている!
こんな思いが詰まった冊子をプレゼントしてもらえる城北高校の卒業生たちは、本当に幸せだな〜と心から思った。と同時に、先生としての本業をこなしながら(寺垣先生は子育て真っ最中でもある)、こんな冊子をボランティアで作り上げた二人の先生こそ、まさに「まっとうな」人々そのものだな、と思いながら話を聞いていた。
終わりに〜インタビューを終えて〜
実は、お会いするまでに随分と時間がかかったので、ようやく会えたということに興奮して、何を話したのか、実はあまり覚えていない(だから内容が本当に正しいのかちょっと不安だ)というのが、本当のところである。
メモもほとんど取れなかったし、「会えた喜びを伝えねば」いう思いが先走って、自分ばかり喋っていたのではないだろうか?そんな私を快く迎え入れてくれて、話を聞いてくれたお二人の先生(&協力してくれた卒業生たち)には心から感謝の意を表したい。本当にありがとうございました。
お二人の話よれば、今年度も『とっとりおでかけマップ』を新たに作成するために、現在準備中とのこと。早速取材に同行って訳には行かないかもしれないけど、まだまだ色々とお話を聞いてみたいことがあるので、機会があれば、また別のテーマでインタビューしてみたい。
ちなみに、『とっとりおでかけマップ」は、昨年の春から(数は多くないかもしれませんが)鳥取市内の一部のカフェ等で販売(200円)しているそうなので、興味のある方は探してみて欲しい。
取材に同行できたらメチャ楽しそう♪