「廃墟マニア」が喜びそうな物件が…
気になる建物が無くなってしまう前に…
鳥取の市街地付近から鳥取砂丘へ車で向かうと、主な観光施設が立ち並ぶ場所から少し離れたところに、円形の展望台がある建物が一つ見える。
何となく気にはなるが、大抵車で通り過ぎてしまうので、結局立ち寄ることはない、そんな場所の一つである。車での移動が多い鳥取では、こういう場所が少なくない。
しかも、気がつくと無くなってしまって、いつの間にか別の建物になっているということもしばしばある。知らないうちに無くなってしまって、後で後悔するのもなんなので、ちょっと立ち寄ってみることにした。
実はちょっと有名な廃墟だった…
今まで遠目からしか見たことがなかったので、現在でも、この建物はホテルか展望台として、それなりに使われているとばかり思っていた。
しかし、行って見てすぐに分かったのは、この建物が完全な廃墟だということである。建物の前には、なぜか有名な高浜虚子の句碑がポツンと建っているが、建物自体が現役ではないことは明らかである。（やっぱり現場に行くって大切ですよね。）
「現在使われておりません」状態なのは一目瞭然
逆光で撮ると、さらに廃墟感が増す？
最近近は「廃墟ブーム」とやらで、こういった建物に対しては多くのマニアが関心を寄せているらしい。後で調べてみると、そういった廃墟マニア？による記事もいくつか見つけることができた。そこそこ知られた建物のようだ（興味のある方は「砂丘パレス」で検索してください）。
実際、パッと見ても特徴的な形をしており、特にマニアではなくても、思わず写真を撮りたくなる物件である。「インスタ映え」するかどうかは良く分からないが、結構面白い構図の写真が撮れたような気がする。
特に建築に詳しく無くても、思わず「カッコイイ」と呟いてしまう。
違う角度からも見てみよう
とはいえ、当然のことながら、建物の中は立ち入り禁止。というか、正確に言うと、この建物は現在も管理者がいて、資材置き場のような形で使用しているとのこと。だから、本当は廃墟とはいえず、廃墟化しつつある物置ということになるらしい。（という訳で、後日、管理者の方から写真掲載の許可を頂きました。）
なので、残念ながら周囲をぐるりと巡ってみることしかできないが、せっかくなのでもう少し違った角度からも写真を撮ってみることにする。
朽ちた手すりは廃墟そのものだが、室内は何となく使われている感じもする。
裏手にある非常階段？もいい感じに朽ちている。
廃墟とはいうもののの、写真を見てもわかるように、そんな大昔の建物ではない。せいぜい昭和、ひょっとしたらもっと最近まで使われていたのかもしれない。とはいえ、建物の後側に回ると、完全に雑草が生い茂っており、廃墟感が一層高まる。
裏へ回ると更に「廃墟っぽさ」が増す。
建物と雑草のコントラストが哀愁を誘う（大げさ？）。
一方、特徴的な円柱形の上層階部分は、やはり展望台だったらしい。実際、この建物のすぐ上にゴルフ場があり、その駐車場部分から見える景色は、砂丘を見る上での絶景ポイントと言われている。
これはマニアでなくてもちょっと登ってみたい！
ちなみにこちらが、すぐ上のゴルフ場から見た景色。絶景である。
そう考えると、この展望台からは、砂丘に入ることなく砂丘の全体像を眺めることができた、ということになる。ひょっとすると、当時は意外な人気スポットだったのかもしれない。
廃墟の前に寂しく佇む高浜虚子の句碑。俳句は「秋風や浜坂砂丘少し行く」。
正直、外から眺めるだけでは、これ以上のことは分からなかったが、何となく鳥取砂丘の隠された一面を垣間見たような気がして、ちょっと楽しかった。あと、「廃墟マニア」の気分がちょっと分かった気がしたのも、思わぬ収穫だった。
終わりに〜鳥取廃墟ツアーって流行るのか？？〜
どうしてこんな場所に、こんな建物が建てられたのか？また、どうして、あっという間に廃墟になってしまったのか？色々と興味は尽きないが、今回のところはあまり深追いしないでおこう。
むしろ、何となく思ったのは、「こういった廃墟が、鳥取には他にも意外とあるのではないか？」ということである。
そういう廃墟を探して、詳しい人をガイドに「鳥取廃墟ツアー」を企画したら、結構人気が出るのではないだろうか？学園祭のスピンオフ企画みたいな感じで実施できれば、かなり盛り上がりそうな気がするのだが…
とはいえ、私一人ではちょっと手に余る企画なので、興味のある方や廃墟に詳しい方などおられましたら、当サイトまで情報をお知らせください（笑）
ちなみにこれは、最近、大学近くで見つけた飛行機の機体？これも廃墟っぽいが…
取材協力：鳥取砂丘会館